2011年6月8日水曜日

神経内注入(2)

Robardsらは,USとNSを使って膝窩部坐骨神経ブロックを行い,最低刺激閾値における針先と神経の位置関係を調べてきます.24人中20人(83.3%)で,針先が神経内に刺入されないと筋収縮が得られなかったとしています.坐骨神経の最低刺激閾値は0.35 - 1.2 mAとなっています.残り4人では神経内に針が刺入されていたにも関わらず,1.5 mAでも筋収縮が得られませんでした.彼らの神経内注入でも神経学的合併症は生じていません(Anesth Analg 2009;109:673-7).

Sala Blanchらは,NSでの膝窩部坐骨神経ブロックを行って,42人中28人(66%)で神経内注入が起き,1週間後において神経損傷を示す症状は無かったとしています(Br J Anaesth 2009;102:855-61).

やはり坐骨神経ブロックでも,神経刺激ガイド法で知らず知らず,神経内注入をしてきたのではないでしょうか.

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