2011年6月4日土曜日

もう一つの産科麻酔の神経ブロック (2):Pudendal Nerve Block

Paracervical Blockの次ぎは,Pudendal Nerve block(陰部神経ブロック)を紹介します.Pudendal nerve blockは,泌尿器科の検査,直腸検査,ペインクリニック領域で会陰部痛の治療として専ら行われています.

Pudendal nerve blockは自然分娩第2期もしくは吸引分娩で実施されます.会陰切開の修復にも鎮痛効果を発揮します.会陰切開と同じ側の陰部神経ブロックを行っておくと,分娩後48時間の座っているときや歩行時の痛みが少なく,鎮痛薬の使用量も減ります(Anesth Analg 2008;107:625-629).砕石位を取り,肛門の上縁を通る水平線と坐骨結節内側縁の交点を刺入点とします.神経刺激器を2 mA, 1 Hzで設定し,100 mm長の通電刺激針を刺入します.肛門括約筋やクリトリスのTwichが得られるまで刺入し,最終的に0.5-0.6 mAでTwichが得られているところで,0.75%ロピバカイン15 mLを分割注入します.

現在,Pudendal nerve blockは超音波ガイドで実施可能です.仙尾靱帯と仙結節靱帯の間に挟まれる陰部動脈を描出して行う方法です.他の方法でも可能ですが,それは自前の方法なので内緒にしておきます.

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