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2011年4月30日土曜日

両側腕神経叢ブロック

腕神経叢ブロックで斜角筋間法は横隔神経麻痺のリスクがあります.最近は鎖骨上法でも横隔神経麻痺のリスクが指摘されています.僕は両側斜角筋間法で腕神経叢ブロックをしなきゃいけない状況になったらどうしようと思っていたことがあります.しかし,外傷の受傷機転を考えたら,まずはそんな状況はありえない.両腕を骨折するのは,転倒時に両手を出すからであって,その時は前腕部分で骨折がおきる.転倒して肩から落ちたときだけ上腕骨外科頚骨折などの肩周囲の骨折が起きます.その時は反対側の肩はまずは無事.よって,両側斜角筋間法で腕神経叢ブロックをしなきゃいけない状況はありえない.

2011年4月29日金曜日

名古屋大学超音波ガイド神経ブロック教育プログラム,Y先生の1ヶ月

新潟大学のY先生が教育プログラムに参加して,1ヶ月が経過しました.名大に来る前にUSG-PNBの経験はあったものの,経験数は31ブロックと少ない状況でした.実質20日で145ブロック+1腋窩静脈カテ挿入をこなしました.超音波ガイド法だけでなく,盲目的手技,神経刺激ガイド法も身につけておくとよいものは習得してもらうようにしています.

当初認められた手技的な問題点,特に針先の描出能力が改善され,安心してみていられる手技が行えるようになっています.あとは「プローブに針を合わせる」穿刺に磨きをかけて欲しいと考えています.持続腕神経叢ブロックが全く経験できていないので,次ぎの2ヶ月で経験できればと考えています.硬膜外ブロックが禁忌となる開腹術,開胸術で如何に末梢神経ブロックを行うか,僕のノウハウを教えてきたので,次ぎの2ヶ月はどのブロックをどのタイミングで行うか,プランニングしてもらう予定です.

(NSGは通電刺激,blindは盲目的手技,他は超音波ガイド法です.腹横筋膜面ブロックと腹直筋鞘ブロックは1症例を1つとカウントしています.)
胸部傍脊椎ブロック      1回注入 11
胸部傍脊椎ブロック  カテーテル挿入 15
腹横筋膜面ブロック      1回注入 27
腹直筋鞘ブロック        1回注入 14
腰神経叢ブロック(NSG)   1回注入 9
大腿神経ブロック        1回注入 12
坐骨神経ブロック
 傍仙骨部アプローチ(NSG) 1回注入 8
 傍仙骨部アプローチ(USG)  1回注入 2
 臀下部アプローチ      1回注入 2
 膝窩部アプローチ      1回注入 4(うち小児1)
 膝窩部アプローチ  カテーテル挿入 2
 膝窩部高周波熱凝固 2 
閉鎖神経ブロック 3
外側大腿皮神経ブロック 2
陰部大腿神経大腿枝ブロック 3
腕神経叢ブロック
 斜角筋間アプローチ1回注入 2
 鎖骨上アプローチ1回注入 2
 鎖骨下アプローチ1回注入 2(うち小児2)
浅頚神経叢ブロック 2
深頚神経叢ブロック 3
星状神経節ブロック 5
頸椎椎間関節ブロック 1
腰椎椎間関節ブロック 10
眼球周囲ブロック(blind) 1
Scalp block(blind) 1
腋窩静脈中心静脈カテーテル挿入1

超音波ガイド神経ブロックの考え方(6) とにかく触れ!

すべての痛みの伝達経路を遮断する必要はなく,どんどんブロックを取り入れるべきだという話をしました.局所麻酔薬がsystemicにも作用することを考えると,しないよりした方がいいと思います.実際にリドカインの持続静注も術後鎮痛として有効性が示されています.

痛みの伝達経路の一部しか遮断していない場合,フェンタニル効果部位濃度を上手に調節してこないと,患者さんは大なり小なり痛みを感じて覚醒されます.その時に創部を触ってみるとよいでしょう.ブロックが効いている範囲を触っても痛みを感じませんが,ブロックの効いてないところを触ると顔をしかめます.下肢の手術で,伏在神経領域に皮弁をしたなと思って,手術終了後に大腿神経ブロックをして覚醒させたときに痛がった場合,大腿神経領域をそっと,つねってみます.それで患者さんがしかめっ面しなければブロックは効いていて,坐骨神経領域に手術創が及んでいると理解できます.

開腹術でも同様です.内臓痛でないと判断した場合には,手術創を丹念にピンポイントで押してみます.手術創の頭側で痛みを訴えるか,尾側で訴えるか,右側か,左側か,それを判断すればどこがうまく遮断できていないかわかります.

2011年4月28日木曜日

GE,ホッケーステック型プローブの開発に乗り出す

GEがホッケースティック型リニアプローブの開発に乗り出しました.小児の点滴,小児のUSG-PNB,頭頚部のペインクリニック領域での使用を視野に開発されたようです.プローブには,交差法でも平行法でも,どちらで穿刺してもプローブの中央が分かるようにラインが付いています.画質も以前のものより,格段と向上しています.GE特有の油絵タッチな画像には変わりがありません.

超音波ガイド神経ブロックの考え方(5):すべての痛みをブロックで遮断する必要はない

手術に超音波ガイド神経ブロックを導入するときに,痛み刺激の伝達経路すべてをブロックで遮断する必要はありません.伝達経路の一部でもよいから,ブロックしていきます.それが技術を身につける早道でもありますし,multimodal approachの一歩でもあります.

まずは,どんな末梢神経ブロックができるか考えます.それが痛みの経路を全て遮断するのか,一部しか遮断しないのかを解剖学的に考えるわけです.それにより,フェンタニルの使用量を考慮していきます.部分遮断の場合は,術中からフェンタニルの効果部位濃度を高く維持します.

完全遮断であるけれど,単回注入で終わる場合は,術中はそれほどフェンタニル効果部位濃度をあげる必要はなく,ブロックの効果が切れた時間帯に痛みを軽減できる効果部位濃度になるようにフェンタニル術後持続投与を調整します.

完全遮断で持続神経ブロックも行う場合も注意してください.腕神経叢ブロックのように術中も完全遮断,術後も完全遮断できるようなときは,術中術後にフェンタニルは不要です.術中にレミフェンタニルのみを投与して,PONVの発生をできるだけ抑えます.一方,腰神経叢ブロック&坐骨神経ブロック&持続大腿神経ブロックのように,術中は完全遮断であるが,術後は部分遮断というときには,持続大腿神経ブロックに加えてフェンタニル静注を併用しておく必要があります.少なくとも翌朝まではフェンタニルを投与しておくとよいと思います.

全体を通して,レミフェンタニルはそれぞれの状況に応じて増減して併用すればよいと考えます.
このように「まずはブロック,次ぎに麻薬」という方向性で考えていくと,どんな手術にでも何かしらブロックはできます.

2011年4月27日水曜日

「しゃがれる」

僕は気管挿管後の嗄声を「声が枯れる」と患者さんに説明してきました.ところが,新潟大学のY先生は,患者さんに「声がしゃがれてる」と説明をしていました.「しゃがれる」って,新潟の方言かとY先生に尋ねると,Y先生は広辞林で調べて,「しゃがれる」は標準語だと教えてくれました.

よく考えると,僕自身は小さいころに,「しゃがれる」という言葉を使っっていたような気もします.しかし,麻酔科医になってからこの方,「声がしゃがれる」と言ったことがありませんでした.だから,とても新鮮というか,新潟特有の方言かと思ってしまった次第でした.

ちなみに名大のママさん淑麻女I先生も,「しゃがれる」という言葉で嗄声を表現したことはなかったらしく,嗄声を俗っぽい表現すると何かと尋ねて,はじめて「しゃがれる?」と答えてくれました.
みなさんは,「しゃがれる」って使いますか?コメントで返事をお待ちしております.

超音波ガイド神経ブロックの考え方(4):ブロックをするか,しないかは君次第!

超音波ガイド神経ブロックをやるやらないは自分次第だということに気付いていない人が多い.気付けない多くの理由は指導医にある.

「別にそんなことしなくていいんじゃない?」,「そんなことしなくても麻酔はできるよ.」

こういうことをいう指導医に限って,麻酔科医なのに麻酔を楽しんでいない.そんな言葉に影響されず,自分が身につけたいと思う手技はどんどん手に入れたらよいと思う.ただし,無鉄砲に挑戦するべきでない.この手技ではどんなリスクがあるのか把握してから行う.解剖学的にはどんな重要構造物が存在するか把握することで、ブロックの合併症を予測できる.穿刺したものの,うまくできないと判断したときには撤退する.自分の技術を評価し,手技に習熟しながら,新しいブロックを身につけていく.
質問されて答えられるようになってから,新しいブロックに挑戦するようにして欲しい.自分に新しい武器が加わったとき,麻酔はもっともっと楽しくなる.

2011年4月26日火曜日

重症頭部外傷における脳保護:中庸の概念

研修医の先生に重症頭部外傷では,麻酔科医として何かできることはあるのか聞かれました.麻酔科的にはマンニトール投与,輸液制限,過換気,TIVA,脳低温療法などいろいろあげる人がいると思います.

麻酔関連領域の技術・知識は戦争によって躍進します.ベトナム戦争は輸液・輸血治療の確立をもたらしました.アフガニスタンおよびイラク戦争では超音波ガイド神経ブロックによる持続神経ブロックが普及しました.実は,この9.11以降のアメリカの戦争は重症頭部外傷における我々の知識も一変させています.これまでPaCO2をどれくらいにしたらよいか,血圧はどれくらいに維持すべきか,輸液はどうするかなどと,我々は治療戦略としていろいろ執ってきましたが,実はnormocapnia, normotensin, normovolemiaが一番治療成績がよいということが分かってきたのです.数年前のIARSで,重症頭部外傷の治療戦略に関する講演のtake-home messageは「何も考えないことが一番の治療戦略だ.」と言っていました.東洋医学でいう中庸,それが一番肝心なのでしょう.

2011年4月25日月曜日

非癌性疼痛に対する麻薬の長期使用

日本でもフェンタニルパッチが慢性痛患者に使用できるようになりましたが,癌性疼痛と異なり薬物依存の問題があり,使用する際に細心の注意が必要となります.非癌性疼痛に対して麻薬を使用する際の心得として,ドイツ疼痛研究学会(German Society for Study of Pain)の5つの提言が非常に参考になるので紹介します.

1.関節痛,神経障害性痛,背部痛を適応とし,非薬物療法を併用する.
2.さらなる鎮痛を求めて,非麻薬性鎮痛薬から麻薬へ切り替えたり,麻薬から他の麻薬への切り
  替えはしない.あくまで副作用が出現したときだけにする.
3.麻薬の投与を開始して6週目で,治療効果を一度確認する.
4.治療に成功したもののみ,3ヶ月以上継続して処方する.治療成功とは,患者が期待した痛みの軽減に達しているか,日々の生活における機能的改善などの治療目標の達成をいう.
5.麻薬だけで患者のQOLを改善するわけではない.他の治療を併用する.

2011年4月24日日曜日

不思議な出会い

ここ名古屋大学超音波ガイド神経ブロックでは,とても不思議な出会いがあります.T先生とK先生が大学の同級生で,この教育プログラムをきっかけに,二人が医師になってはじめて一緒に時間を過ごすことができたという話は以前しました.実はY先生にもありました.

新潟大学から研修に来ているY先生は金沢生まれなのですが,Y先生がこの世に生まれてきたときに取り上げてくれた産婦人科医が,実は僕の2番弟子のN先生のお父さんだったのです.

ちなみにN先生は名大麻酔科のスティーブン・セガール,合気道の達人.僕は不意にN先生の手首を掴んで襲ってみるのですが,いとも簡単に関節を決められてしまいます.

実は

昨年の徳島の臨床麻酔学会でホテルが確保できず,タバコのヤニにまみれ,便器にお尻をあてることもできないようなビジネスホテルに宿泊して,つくづく学会のホテル確保の重要性を身にしみたはずの僕ですが・・・

Yamorimo先生に,学会に行くか行かないか分からなくても,半年前にホテルを押さえておくようにアドバイスを頂いた僕ですが・・・

実は,まだ今年の日本麻酔学会総会のホテルを確保できていません.学会参加の事前登録も4月に入ってからしたので,プログラム集にネームカードも入っていませんでした.
3月は香港に集中しすぎて,学会関連の予約など,いつもならしていることをしていませんでした.

2011年4月23日土曜日

超音波ガイド神経ブロックの考え方(3):失敗したらやり直せ

自分の病院の外科医がよく行う手術,切開に習熟しておくことは,超音波ガイド神経ブロックでは大切です.しかし,時にそうした慣れが失敗の原因になることもあります.

「腹腔鏡下肝臓腫瘍的手術で,いつものように右肋骨弓下に小切開が入ると思って,右側に胸部傍脊椎ブロックをしたら,小切開がお臍のあたりに入って,痛がってました.」という人もいます.自分の病院にいる外科医がいつもと違うアプローチで切開を行ったために,執刀前に行ったブロックが効果を発揮できなかったわけです.こうした場合でも,ブロックを一回で終わらせるのではなく,手術終了後に低濃度局所麻酔薬で神経ブロックをやり直せばいいのです.手術終了後なら,より選択的にブロックも可能です.

第22回日本ペインクリニック学会東海地方会の下見

第22回日本ペインクリニック学会東海地方会が5月7日に開催されます.実は,この学会を計画してきたのはチーム金曜日です.昨日は2時半までに外来を終了し,その足で会場の下見をしてきました.

この下見において,プロジェクターとパソコンまで持ち込んでシミュレーションをする予定でしたが,僕がパソコンを切り替えるチェンジャーの電源コードを忘れてしまい,シミュレーションできませんでした.下見のご褒美にと堂島ロールのケーキセットをみんなにご馳走したのですが,その店にチェンジャーも置き忘れてしまいました.昨日は心穏やかに過ごせないことがあり,いろいろ準備していたものを無駄にしてしまいました.しかし,その度毎に「おまかせください,先生.」とニッコリ顔で問題を解決してくれたAA先生には感謝しています.





向かって左端から超音波ガイド腰椎椎間関節ブロックをする姿も様になってきたa先生,
中央後が昨日peribulbar blockを決めてご機嫌のY先生,
中央前にいるのがAA先生,右端が僕です.
    

2011年4月22日金曜日

超音波ガイド神経ブロックの考え方(2):固定概念を捨てろ!

超音波ガイド神経ブロックを教えていると,ブロックは手術で一回しかやってはいけないと考えている人が多い気がします.3時間以上の手術に単回注入のブロックをしたのなら,執刀前だけでなく,手術終了後にもブロックすればよいのです.もちろん,2回目に行うブロックの局所麻酔薬使用量は注意しなければなりません.2回目はそんなにたくさんの局所麻酔薬は必要ありません.

2011年4月21日木曜日

超音波ガイド神経ブロックの考え方(1):自由に考えろ!

超音波ガイド神経ブロックを教えていると,形にはめて考えたがる人が多い気がします.「この手術には,どんなブロックをすべきですか?その時のアプローチは?」みたいな質問を受けます.「△術に対して,○○神経ブロックの××アプローチをする.」と言った考えで超音波ガイド神経ブロックをしていてはいけません.解剖さえ分かれば,すべては自由です

自分の病院にいる外科医が行う手術の内容はほぼ一定のはずです.例えば,どのあたりでどれくらいの切開を加えるかなど.小切開で手術をする外科医もいれば,大きな切開でやる外科医もいます.自分達の友人である彼らの癖を見抜くことも大事です.彼らの手術における痛みの伝達経路(末梢神経)を考えます.超音波ガイド法では,どのレベルでも末梢神経をブロックすることは可能です.教科書にも記載のない部位で神経を描出してブロックできるわけですから,それこそアプローチは五万とあるわけです.

例えば,下位肋間神経では,椎間孔レベルでは胸部傍脊椎ブロック,胸郭周囲では肋間神経ブロック,肋骨弓を横切るとTAPブロック,腹直筋鞘に入ると腹直筋鞘ブロックとなります.自分の技術,患者の止血機能,ブロックすべき範囲を考慮して,どのレベルで下位肋間神経を遮断するかを決めます.できるだけ広範囲に遮断できるものを選ぶべきですが,全範囲遮断できないからと言って諦める必要はありません.部分的にしか遮断していなくても,他の鎮痛薬と併用することで良い鎮痛が得られます.また局所麻酔薬が血管内に吸収された後の全身的な鎮痛作用により,神経ブロックをしていないよりしておいたほうがよい鎮痛が得られます.

膝の手術で坐骨神経ブロック臀下部アプローチをしようしていたのに,臀下部に腫瘍があることが分かった.そんな時に坐骨神経ブロックを諦める必要はありません.それより末梢もしくは中枢でアプローチすればいいのです.もちろん,腫瘍が坐骨神経を浸潤している場合はブロックをしてはいけませんけど・・・.

超音波ガイド神経ブロックほど,自由な発想でできて麻酔科医を試すものはないのです.

2011年4月20日水曜日

Tsunami Lung

As you know, I have been presenting a technique of ultrasound-guided thoracic paravertebral block with a transverse scan in an in-plane approach. In my technique, you can place a catheter into the thoracic paravertebral space more easily than the technique with a longitudinal view of the thoracic paravertebral space.

This week, I met a patient with a rare ultrasound image of the thoracic paravertebral space. The patient was swept up by the huge tsunami after the Tohoku earthquake and then was suffering from a thoracic empyema.  I performed ultrasound-guided TPVB for the patient undergoing an open chest drainage. The ultrasonographic image was notable for us. The pus between the parietal and the visceral pleura was visualized as a hypoechoic wedge-shaped space seen. Therefore, it was seen as a thoracic paravertebral space. On the other hand, the thoracic paravertebral space appeared more hyperechoically than usual, and  was seen a part of the external intercostal muscle. You will not be able to identify the internal intercostal membrane if you have not watched the ultrasonographic image.
I called the ultrasonographic image "Tsunami Lung".

2011年4月19日火曜日

ブッダの言葉

最近,気が短くなっている気がするので,超訳 ブッダの言葉 小池竜之介著を買って読んでいます.気が短いと思う人は読んでみるといいですよ.

テタヌス刺激でPONV予防

経絡の心包経にある内関を筋弛緩モニターで刺激するとPONV予防ができる話は以前にもありました.Anesth & Analg 2011;112:819-23では,さらに,どのモードが一番PONV予防によいかを調べて,tetanusuがよいと証明しています.

P:婦人科腹腔鏡下子宮摘出術を予定された264人の女性です.麻酔はGOS,術後鎮痛はフェンタニルのiv-PCAを使っています.
I:調べたモードは1-Hz single twich (ST),TOF,DBS,tetanusの4つ.電極を内関から1cm近位,2cm遠位に張って,内関を電極で挟み込むように通電刺激します.
C:コントロールでは,通常通りの尺骨神経を通電刺激しています.
O:tetanusのみがコントロール群より,PONVが有意に低く,疼痛スコアーも低いとなています.ただし,術後0~6時間までの効果で,術後6~24時間ではどのモードもコントロールと有意差を認めていません.患者満足度もtetanusのみが,コントロール群より高かくなっています.

2011年4月18日月曜日

睫毛反射に頼ってはいけない.

TIVAによる麻酔導入では,睫毛反射消失を意識消失と捉えてはいけません.睫毛反射消失後も,患者さんは呼びかけに反応します.しかし,麻酔専門医クラスでも,そのことを知っている人が少ない気がします.確かに,プロポフォールやチアミラールをボーラス投与すると睫毛反射消失と意識消失がほぼ同時に起こります.TIVAでは,プロポフォールの予測血中濃度を徐々に上げながら,軽い刺激を加えながら呼びかけに反応しなくなる(意識消失の)効果部位濃度を把握します.すると,睫毛反射が消失する効果部位濃度と意識消失する効果部位濃度に解離が出てきます.僕は,若手の麻酔科医が睫毛反射消失を確認後,直ぐにマスク換気や筋弛緩薬を投与しようとすると,ストップをかけます.そして,再度患者さんの意識消失を確認するように促します.患者さんが消耗反射消失後も目を開けることを教えています.

2011年4月17日日曜日

カテーテル挿入法について(4) 短軸像×平方法

iSSPS2011で推奨していた方法が神経の短軸像を描出し,平行法で穿刺して,カテーテルを挿入する方法です.安全に針先を神経周囲に持って行くことができる点が売りです.カテーテルを針先から3㎝程度挿入するようにすれば,カテ先は神経の側に確実に留置されます.5 cm以上挿入すると,カテ先が神経の側にいないことが多いので注意してください.腕神経叢ブロック,大腿神経ブロック,坐骨神経ブロックなんでも,これでいけると考えます.

2011年4月16日土曜日

めんたい娘?

先週,福岡に行ってきたのですが,妻にふくやの明太子を買ってきてと言われたので,博多駅でふくやの明太子を売っているお店を見つけて,無着色の中辛をふたつ買いました.凍っているから4時間は大丈夫と言われて,グルグルに包装されたものを二つ渡されました.今週になって,購入した明太子を包装から出してみると,「めんたい娘」の文字がパッケージに,会社の所在地も違ってました.

カテーテル挿入について(3) 短軸像×交差法

持続末梢神経ブロックを始めた初期のころ,僕は大腿神経や坐骨神経の短軸像を描出して,交差法でカテーテルを挿入していました.今は,この方法をお勧めしません.カテ先が最終的にどの方向に挿入されているかも予測できません.得てして神経から離れた位置にカテ先があったりと,精度がよくありません.

膝関節に分布する大腿神経の成分は,大腿神経の背面にいます.よって膝関節置換術でカテーテルを挿入する場合には大神経の後面にカテーテルを留置しないといけません.しかし,大腿神経の短軸像と交差法による穿刺では,大腿神経前面にカテーテルを留置できても,後面に留置することはできません.

2011年4月15日金曜日

M先生の見学

今日は三重県在住のM先生がチーム金曜日を見学にきてくださいました.経絡治療や超音波ガイド神経ブロックを含め,僕の外来患者さんへの接する姿を見て頂きました.途中,Q州大学のO先生から患者紹介の電話があり,チーム金曜日の人脈?の広さにM先生は驚いていました.M先生,Y先生,a先生,AA先生のみんなで和気藹々と外来をし,外来診療終了後はみんなで昼食をとりました.来年,M先生がチーム金曜日に参加してくれることを願います.

カテーテル挿入法について(2) 長軸像×平行法

僕は,膝窩部坐骨神経ブロックで坐骨神経の長軸像を描出し,平行法で穿刺する方法を好んでやってきました.カテーテルが挿入される様を描出できるのが利点です.ただし,坐骨神経短軸像の中心点を通る長軸像を描出しないと,坐骨神経長軸像の辺縁がぼけてしまいます.

辺縁がぼけた長軸像では,針先と坐骨神経の位置関係がはっきりせず,安全性に問題が生じます.辺縁がぼけた長軸像ではカテーテルを坐骨神経に沿って留置されているかも判断が難しくなります.平行法の基本で話したように,針にプローブを合わせるのではなく,プローブに針を合わせる能力が必要です.

カテーテルを挿入しすぎるのにも注意が必要です.坐骨神経に沿って進んだカテーテルが坐骨神経から逸れていってしまうことがあります.カテーテルは針先から5㎝以内の挿入で留めるべきです.

空気入りの生食をカテーテルから注入して,hyperechoic flashが坐骨神経周囲に観察できればOKです.カテーテルを細かく出し入れすると,組織の動きでカテーテルと坐骨神経の位置関係を把握することも可能です.

2011年4月14日木曜日

カテーテル挿入について(1)

上下肢の末梢神経ブロックでカテーテル挿入をどのようにやっていますか?神経の描出法と針の穿刺法から4通りの方法が考えられるます.つまり,短軸像×平行法,短軸像×交差法,長軸像×平方法,長軸法×交差法の4つ.長軸像×交差法は全く利点がないので,選択する人はいないと思います.恐らくは,前3つの方法のどれかを行っているのではないかと思います.僕自身,この3つをいろいろ試してきました.これから,3つの方法について考えていきます.

問題は日本にstimulating catheterがないためにカテ先が神経の側に位置しているのか分からないことです.その条件の中で,どんな方法でカテーテルを挿入すべきなのでしょうか.

2011年4月13日水曜日

絶飲食時間について

当院でも絶飲食時間が担当指導医によって,まちまちです.もっと飲水中止時間を短くしたら点滴ラインもとりやすいだろうにと思う状況に遭遇することもしばしばです.なぜ絶飲食時間を長くしたのか尋ねると,そう教えられたという研修医もいます.絶飲食時間をどうするかは,各麻酔科医がどの施設で教育されてきたかで異なるのが現状かと思います.

ASAのNews LetterにあるAnesthesiology Continuing Educationで絶飲食に関するクエスチョンが出ていました.それが参考となると思うので紹介します.

Clear liquids      2 hr
Breast milk       4 hr
infant formula    6 hr
Nonhuman milk 6 hr
Light meal         6 hr

Clear liquidとは,水,果肉のないフルーツジュース,炭酸飲料,お茶がらを超したお茶,コーヒーのような澄んだ飲料水をいいます.我々が一般に言うミルクはbreast millk, infant formula, nonhuman milkと細かく分類して指導されています.infant formulaとは粉ミルクのことで,nonhuman milkは牛乳のことです.粉ミルクは牛乳は6時間あけて,母乳のみ4時間あけます.light mealはトーストと澄んだ飲料水のことで,6時間あけます.妊婦であったり,油っぽい食べ物の場合は胃内停滞時間はもっと延長します.

2011年4月12日火曜日

下肢切断術(4) intraneural injection

人類最強はエメリヤーエンコ・ピョードルです(総合格闘技)が,人類最大の神経は坐骨神経です.下肢切断術で超音波ガイド神経ブロックがうまくできなかったという人の多くは,この事実を知らないからです.
整形外科手術では,この人類最大の神経に対して神経周囲注入perineural injectionを行います.すると,人類最大の神経が遮断されるのに40分程度かかります.整形外科手術では,ブロック後に体位をとり,駆血帯を巻いて,整形外科医が手を洗い,ドレープをかけるまでに,そのくらいの時間は簡単に過ぎます.

ところが,下肢切断術ではブロック後15分とかからずに執刀になります.ブロックが充分効果が出る前に手術が始まるために,ブロックを失敗してしまったと思ってしまうわけです.下肢切断術では考えを変えなくてはなりません.坐骨神経を愛護的にブロックする必要はないのです.どうせ切られてしまいます.迅速でかつ完全な神経遮断を行うためには,神経内注入intranerural injectionをしなければなりません.神経内注入により局所麻酔薬の使用量を減らせますし,作用時間も長くなります.

持続神経ブロックは坐骨神経にだけカテーテルを入れておけばよいと思っています. Dr Eichenbergerは,フェノールをついでに注入すると言っていました.

日本ペインクリニック学会もカードを発行

日本ペインクリニック学会も学会参加をカードで登録するシステムを導入するようです.日本麻酔学会にすでにカードがあるのだから,これ1枚で麻酔関連学会が全部把握できるようにしてくれればいいのに.ひょっとして,日本ペインクリニック学会に参加したら,麻酔科学会のカードも含めて二枚カードをピッしてもらわないといけないのでしょうか?そんな面倒なことやってられませんよね.今時,地下鉄もバスもJRも私鉄もカードを統一しようって動きがあるのに・・・・

2011年4月11日月曜日

下肢切断術(3) 戦略と抗凝固療法

下肢切断術の患者さんは,抗凝固療法を継続している場合は多々あります.下腿切断術は大腿神経と坐骨神経のふたつだけを遮断すればよく,しかも2つとも表在性なので超音波ガイド神経ブロックであれば,抗凝固療法中でも実施可能です.もちろん,超音波ガイド神経ブロックに習熟した麻酔科医がブロックの指導をすることが大前提です.

一方,大腿切断では,僕は抗凝固療法を考慮してブロックします.抗凝固療法を行っていない場合には,超音波ガイド神経ブロックは選択しません.腰神経叢ブロック後方アプローチ(大腰筋筋溝ブロック)&坐骨神経ブロック傍仙骨部アプローチを神経刺激ガイドで行います.この組み合わせでブロックをすると,臀部を含め,鼡径靭帯より末梢(いわゆるパンティラインより末梢)の下肢の手術は何でも対応ができます.大腿部に分布する神経がたくさんあるにもかかわらず,たった二つの穿刺で全てを遮断できることが気に入っている点です.

抗凝固療法を行っている場合には,大腿神経,閉鎖神経,外側大腿皮神経,坐骨神経,後大腿皮神経を一つずつ超音波ガイドでブロックしていきます.局所麻酔薬の濃度を希釈することで,局所麻酔薬の投与量が多くならないようにします.大腿後面の皮膚を支配する後大腿皮神経は仙骨神経叢の枝ですが,坐骨神経とは異なる神経です.この神経は,坐骨神経ブロック殿下部アプローチより近位レベルの坐骨神経ブロックでないと確実に遮断できません.通常は傍仙骨アプローチをしています.臀下部アプローチでも,局所麻酔薬が神経に沿って近位側に拡がると,後大腿皮神経は遮断されていることがありますが,その精度は調べてないのでお勧めはしません.

2011年4月10日日曜日

下肢切断術(2):戦略と解剖

どのように末梢神経ブロックを行っていくかも重要です.考えなければいけないことは2点あります.一つはどのレベルでの切断か?もう一つは抗凝固療法をしたままかどうか?この2点でもって,僕は戦略を大きく変えます.

切断レベルに関して,大腿部での切断か,下腿部での切断かで,遮断しなければならない神経の数が大きく違ってきます.大腿切断では,大腿神経,閉鎖神経,外側大腿皮神経,坐骨神経、後大腿皮神経を遮断する必要があります.下腿切断では大腿神経と坐骨神経を遮断するだけで充分です.

2011年4月9日土曜日

ガイガーカウンター

福島原発の近くに住む人はガイガーカウンターを購入しているようですね.東電や政府の発表は信用ならないから,自分の身は自分で守るしかない.ガイガーカウンターを調べてみると,今,日本ではかなりの値段が上がってしまって高額商品になっています.知り合いでガイガーカウンターを購入した人に聞いてみると,一応は政府が発表するのと近い値が表示されるそうです.それを聞いて,ちょっと安心しました.

博多で3度目の再会

体幹の超音波ガイド神経ブロックの講義をするために博多に行ってきました。そこで一人の女性に出会いました。彼女と会うのは、これで三度目。別に長い付き合いでもなく、自分の人生のほんのちょっとの時間を共有するだけなんですが、なんとも不思議な出会いです。

一回目の出会いは、自分が広島大学医学部三年生の時、福岡で開催された西医体ボート競技の帰りです。ボート部のK先輩のお父さんが皆にご飯をご馳走してくれるということで、ホテルの高級中華を頂いきました.その時にK先輩ウリ二つの小学生の女の子が居ました。その女の子が彼女です。

その後,僕が麻酔科医として独り立ちして、広島大学から愛知医科大学に所属を変えました.愛知医大で自分が超音波ガイド神経ブロックの手技開発に夢中になっていると、ひとりの女学生がポリクリでまわってきました。K先輩にウリ二つの笑顔で直ぐに、その子が誰か気付きました。僕は自分のお尻まで見せて、神経ブロックの面白さを説明しました。

そして、今日、K先輩にウリ二つの顔が自分の前に座っていました。彼女は麻酔科医になっていたのです。今度は、いつ,どこで再会するのかとても楽しみです。名古屋大学に来てくれるとうれしいのですが・・・

下肢切断術(1)

下肢切断術に末梢神経ブロックは有効かどうか質問されることがよくあります.答えはYes!.下肢切断術の多くは閉塞性動脈性疾患の患者さんで,脳血管疾患,虚血性心疾患,慢性腎不全,糖尿病を合併し,全身状態が非常に悪いことが多いと思います.全身麻酔で使用する薬のさじ加減に悩む必要がないというのが一番の利点かと思います.筋弛緩薬はスガマデックスが登場して悩むことはなくなりました.問題はオピオイドです.虚血性心疾患を合併する患者さんが多いことから,術後鎮痛も考慮した麻酔をすべきです.しかし,モルヒネやフェンタニルのさじ加減が難しい.時にレミフェンタニルだけ投与している状況を見かけますが,手術を退室すればよしという姿勢には僕は疑問を感じます.

2011年4月8日金曜日

名古屋大学超音波ガイド神経ブロック教育プログラム Y先生の過ごした一週間

新潟大学からY先生が名古屋大学に超音波ガイド神経ブロックの教育プログラムに参加して一週間が経過します.Y先生が名古屋大学に来る前に経験した超音波ガイド神経ブロックの数は31.それに要した期間は15ヶ月.

名古屋大学に来て一週間,土日を除くと,実質5日間で彼が経験したブロック数は34です.彼が1年以上かけて経験した数を,わずか5日足らずで超えました.これが名古屋大学超音波ガイド神経ブロック教育プログラムです.

【Y先生が5日間で行ったブロック】 NSGは神経刺激ガイド,それ以外は超音波ガイドです.
胸部傍脊椎ブロック      1回注入 3
胸部傍脊椎ブロック  カテーテル挿入 2
腹横筋膜面ブロック      1回注入 6
腹直筋鞘ブロック        1回注入 3
腰神経叢ブロック(NSG)   1回注入 2
大腿神経ブロック        1回注入 3
坐骨神経ブロック
 傍仙骨部アプローチ(NSG) 1回注入 2
 傍仙骨部アプローチ      1回注入 1
 膝窩部アプローチ  カテーテル挿入 2
 膝窩部高周波熱凝固                         2 
外側大腿皮神経ブロック   1回注入 1
陰部大腿神経大腿枝ブロック1回注入 1 
腕神経叢ブロック
  鎖骨上アプローチ      1回注入 1

浅頚神経叢ブロック       1回注入 2
深頚神経叢ブロック              1回注入 1
星状神経節ブロック                               2
腋窩静脈カテーテル挿入              1

Y先生の実習は6月末で終了します.その後に教育プログラムに参加されたい麻酔科医は,御施設内で勤務の調整後にお知らせください.

2011年4月7日木曜日

重症下肢虚血痛や皮膚潰瘍に対する持続坐骨神経ブロック

ペインクリニックで重症下肢虚血痛や皮膚潰瘍に対する疼痛治療を依頼されることがあります.いろいろなオプションがあると思います.脊髄刺激電極,持続坐骨神経ブロック,高周波熱凝固による坐骨神経末梢枝の破壊術など.

外科的治療が可能であるが,痛みのために全身状態が悪化しているような場合,僕は持続坐骨神経ブロックを選択しています.持続坐骨神経ブロックによって,睡眠と食欲が改善し,手術を受けるだけの体力を回復した患者をたくさん経験しました.

整形外科手術後の持続坐骨神経ブロックでは運動機能を維持しながら痛みを取るために0.15%ロピバカインといった低濃度で行いますが,この程度の濃度では重症下肢虚血痛は治まりません.もっと濃度を高くしてあげる必要があります.しかし,はじめから高濃度で投与すると,ブロックによる痺れから患者さんが嫌がることがあります.まずは低濃度で開始し,患者さんの反応をみて,より高濃度に変更していきます.0.25~0.3%くらいまでは濃度をあげます.

注意すべき事が2点あります.一つは,完全な無痛はありえないことです.坐骨神経は人類最大の神経ですから,すべての神経線維を遮断するなんて無理です.患者さんにあらかじめ説明しておかないといけません.もう一つはカテが抜けてしまうことが頻回に起きる点です.ペインクリニックで行う持続坐骨神経ブロックでは,痛みが緩和されることで活動性が上がり,カテーテルが抜けやすくなります.ここが術後鎮痛に使う場合と異なります.

重症下肢虚血痛の患者は,透析をしている患者さんも多々います.当然,局麻中毒を気にする人も多いかと思います.僕自身は,60例の慢性腎不全合併重症下肢虚血痛患者に持続坐骨神経ブロックを行ってきました.0.2%ロピバカイン4-6 ml/hで投与して,0.75%ロピバカイン10 mlの単回注入を一日1-2回繰り返しても,局麻中毒は発生していません.

2011年4月6日水曜日

ブロック後に患者が痛みを訴えたとき(3) Consider the Anatomy!!

ブロック後に患者が痛みを訴えたときに,どう対処するか?それが執刀前という場合には,ブロックが効果が出てくるまでの時間を考慮して、失敗か否かを判断する必要があります.しかし,日本ではブロック室たるものはありませんから,はじめからMIAのような深い鎮静もしくは全身麻酔を末梢神経ブロックに併用します。これで、執刀前にブロックの成否にヤキモキする必要がなくなります.オピオイドを上手にコントロールすれば,執刀時にブロックの成否も判断できます。その時点でオピオイド主体の麻酔に切り替えればいいのです.

手術終了して覚醒後に患者が痛みを訴えた場合は解剖を考えないといけません.侵害刺激の伝達経路としてどんな神経が挙げられるかを考えてください.そして伝達経路のうち,自分は全経路を末梢神経ブロックで遮断しているのか,一部しか遮断していないのか判断します.そうしないとブロックの手技が失敗したのか,ブロックの作戦,つまり,ブロックの選択の失敗なのか分かりません.よく膝の手術に大腿神経ブロックだけして,患者が痛がっていたと言っている麻酔科医と整形外科医を見かけますが両者とも論外です.

The Spanish Nice Guy Posted Comments to My Blog!

Finally, the spanish nice guy got to my blog and posted comments. I found that I did not have his name and email address on the way home from Hong Kong. I did not have the method of contacting to him. Therefore, I had been worried about whether he was really able to reach to my blog. However, according to our promise, he appeared in my blog. I do not know how he was able to reach to my blog. I will ask him about the point. He says that  he will follow my blog. Thus, I would like to post some comments in English in my blog. In Spanish? Sorry, I am poor at Spanish.

2011年4月5日火曜日

雨にも負けず

宮沢賢治の有名な詩を香港の人達が東日本大震災の被災者の方への応援歌として歌ってくれています.

ブロック後に患者が痛みを訴えたとき(2)

ブロック後の患者さんが痛みを訴えたときこそ重要なことに気づくチャンスなんだという経験談をもう一つ.前に勤務していた病院で,トラックに巻き込まれて腕を不全切断し,ショック状態で緊急搬送されてきた患者さんがいました.僕は,この緊急手術をMIAによる深鎮静と持続腕神経叢ブロックで管理しました.しかし,僕が術翌日に病室に訪問すると,患者さんは「痛い,痛い」と泣いていました.手術は腕神経叢ブロックのカテーテルでうまく管理できていたので理由がわかりませんでした.ところが,包帯が巻いてある切断端を触っても患者さんは顔をしかめることもありません.確かに腕神経叢ブロックのカテーテルはちゃんと痛みを遮断していました.痛いと言っていた理由は別のところにあったのです.トラックに巻き込まれたわけですから,全身を強く打撲しています.これにより全身が痛かったわけです.そのときの自分は急性痛管理として手術部位しか見ていなかったのです.それ以来,急性痛管理では患者さんのトータルな痛みを管理することに気を配るようになりました.僕が末梢神経ブロックに必ずオピオイドを加えるようにアドバイスをするのも,こうした経験からです.

2011年4月4日月曜日

ブロック後に患者が痛みを訴えたとき(1)

時にブロックが失敗したことの理由を問うメールを頂くことがあります.全身麻酔からの覚醒後,患者が痛みを訴えた時に,ブロック失敗しちゃったんだと悲観的になってはいけません.失敗の理由を考えることで,誰も知り得なかったことを発見することがあります.僕自身,まだTAPブロックが世に出る随分前から体幹の神経ブロックを開腹術で応用していました.自分が麻酔管理を行えば,患者は痛みなく覚醒するのに,他の麻酔科医と交替すると患者が痛みを訴えて覚醒してきました.当時の仲間で,「体幹の神経ブロックなんて効果ない.」と陰口を叩く者もいました.しかし,このときに何故そうなのかを突き詰めた結果,開腹術では腹壁の体性痛管理と内臓痛管理の二つのベクトルに分けて管理すべきなんだという考えに気づいたわけです.解剖学的には当たり前のことですが,末梢神経ブロックを開腹術に応用すれば,体性痛と内臓痛の二つを分けてコントロールできることに気づいた人は僕以外に誰一人としていませんでした.陰口を叩いているものがいることを知ったときには残念な思いでしたが,考えるきっかけを作ってくれたことには感謝しています.

2011年4月3日日曜日

臨床研究も同等性、非劣勢試験の時代に突入

A & A2011;112:678-87に同等性試験、非劣勢試験の解説が掲載されています。我々は今まで優越性試験(治療群がコントロール群より優れていることを証明する研究)ばかりしてきました.検出力試験からサンプルサイズを出し、その結果から帰無仮説が棄却されないと、二つは同じだと見なしてきました.しかし,それは間違いです.何故なら,その結論がType Ⅱ error(本当は有意差があるのに,ないとしてしまうこと)を孕んでいるからです.優越性試験で出た“no statistically signigicant”という結果は二つが同じであることを意味するのではなく,単に今回の研究では「治療が有効であったということを証明できなかった」ということを意味します.二つが同じである(同等性)か,同じかもしくは劣らない(非劣性)を述べる場合には,今まで我々が学んできた優越性を調べる統計学手法は駄目なのです.同等性や非劣性試験をしなくてはなりません.それらの試験は信頼区間を使って検討していきますが,まだこれらの試験を自動的にやってくれる統計ソフトは存在していません.これらの統計手法もまだまだ問題があるようで,あまり詳しく解説した本もないのが現状です(今年の7月くらいに英語で本が出版されるようです).ということで,この論文は一読の価値ありです.ただ,ある程度の統計学の基礎を知っていないと読みこなせません.

2011年4月2日土曜日

「エコーガイド」は使うべきではない

日本ではエコーガイドという言葉が使われますが,これはおかしな表現です.エコー(echo)は,音が壁に跳ね返ってくる現象のことをいい,超音波を意味しません.超音波はultrasoundです.海外で開催されるシンポジウムやワークショップに参加しても,echo-guidedなどと表現する人は皆無です.Googleでecho-guidedを検索すると,29,100件ヒットするのに対して,ultsound-guidedが1,050,000件であることから,超音波ガイドとエコーガイドのどちらの表現を使用することが標準的なのか自明だと思います.

あいのり

僕は蕎麦やうどんが好きで,妻が実家に帰省している間はよく蕎麦屋さんに通います.写真は僕がよく行く手打ち蕎麦屋さんです.きしめん,味噌煮込みうどん,そばを提供しています.名古屋に来て10年になりますが,このお店にはじめて入ったときに「あいのり」という文字を見つけて意味がわかりませんでした.みなさんは,「あいのり」の意味がわりますか?この表現は名古屋ならではじゃないのかな.

2011年4月1日金曜日

はやぶさの偉業を成し得た日本,原発事故の日本

世界中がびっくりした“はやぶさ”の地球への帰還は誰しもが覚えていることだと思います.あれほど,日本の技術力に感動し,日本で生まれた人であることをうれしく思ったことはありません.どんなに絶望的な状況でも,与えられた条件の中で,はやぶさを地球に帰還させた人達の頭脳には驚かされます.

一方,原発事故ではどうでしょうか?安全なものだから危機的状況など考えていないなどと震災の前にはふんぞり返り,震災後は想定外のことが起きたと言い訳しながら,対応が後手後手にまわっています.放射性物質が漏れていること自体が大問題なのに,今の放射能レベルは安全だなどと言い続けています.我々もだんだん放射性物質に対する恐怖感が麻痺してきています.外国で言っている福島原発事故の情報と日本政府の発表する情報がこんなにも解離していていいのかと思います.

僕は,はやぶさの奇跡と呆れた原発事故の違いは指導者の違いだと思います.麻酔科医は手術中に人の命を守ることを生業とする専門職です.手術が何事もなく無事に終わることが一番ですが,時に患者の命が危険な状況に陥ってしまうことに遭遇することもあります.そんなとき,自分は前者の指導者として行動できるように心がけたいです.

チーム金曜日からTeam Shibataへ,そしてチームチキン?

僕とAA先生のコンビはもともと,チーム金曜日と言われてきました.チーム金曜日はあらゆるブロックを超音波ガイド手技を行っています.脊髄刺激電極の手術も多く,精力的にペインクリニックをこなしています.チーム金曜日でないとできないと思われるものもあります.そんなチームの存在を知ってか,知らずか,スペイン人のイケメン麻酔科医はTeam Shibataと名付けてくれました.

実は,Y先生以外に4月1日をもって麻酔科医局員a先生が我々のチームに配属となりました.a先生はそのことが決まった時点で,このチームのことをチーム・チキンと呼びました.チーム金曜日で,略してチキンだそうです.しかし,彼はチキン発言をした時点で,このチームにいながら,チームに属することは保留となっています.理由は,chickenが英語で臆病者を意味するからです・・・a先生,口は災いの元です.

名古屋大学超音波ガイド神経ブロック教育プログラム Y先生の研修開始

新潟のY先生が4月1日から教育プログラムに参加します.Y先生は山形のK先生のプログラム終了後,すぐに教育プログラムに参加したい旨の連絡を頂きました.4月からの3ヶ月間で,僕と一緒に超音波ガイド/神経刺激ガイド神経ブロックを行っていくことで,彼なりに技術と自信を身につけてもらえたらと思います.Y先生は3月31日に医局にちょっとだけ顔を出してくれたのですが,折角だからと,手術着に着替えてもらい,腹直筋鞘ブロックと大腿神経ブロックに参加してもらいました.ということで,Y先生のプログラムはフライイングして開始となりました.

K先生は被災地で,胸部傍脊椎ブロックを呼吸器外科手術2例で実施したとメールで連絡がありました.

震災と原発の影響で外国人の受け入れ依頼は当分なさそうです.来年春くらいにタイから二人,受け入れる予定にはなっていますが,放射性物質漏れによって日本がどうなるのは予測がつかないためにどうなるかわかりません.