2011年4月25日月曜日

非癌性疼痛に対する麻薬の長期使用

日本でもフェンタニルパッチが慢性痛患者に使用できるようになりましたが,癌性疼痛と異なり薬物依存の問題があり,使用する際に細心の注意が必要となります.非癌性疼痛に対して麻薬を使用する際の心得として,ドイツ疼痛研究学会(German Society for Study of Pain)の5つの提言が非常に参考になるので紹介します.

1.関節痛,神経障害性痛,背部痛を適応とし,非薬物療法を併用する.
2.さらなる鎮痛を求めて,非麻薬性鎮痛薬から麻薬へ切り替えたり,麻薬から他の麻薬への切り
  替えはしない.あくまで副作用が出現したときだけにする.
3.麻薬の投与を開始して6週目で,治療効果を一度確認する.
4.治療に成功したもののみ,3ヶ月以上継続して処方する.治療成功とは,患者が期待した痛みの軽減に達しているか,日々の生活における機能的改善などの治療目標の達成をいう.
5.麻薬だけで患者のQOLを改善するわけではない.他の治療を併用する.

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