2011年4月12日火曜日

下肢切断術(4) intraneural injection

人類最強はエメリヤーエンコ・ピョードルです(総合格闘技)が,人類最大の神経は坐骨神経です.下肢切断術で超音波ガイド神経ブロックがうまくできなかったという人の多くは,この事実を知らないからです.
整形外科手術では,この人類最大の神経に対して神経周囲注入perineural injectionを行います.すると,人類最大の神経が遮断されるのに40分程度かかります.整形外科手術では,ブロック後に体位をとり,駆血帯を巻いて,整形外科医が手を洗い,ドレープをかけるまでに,そのくらいの時間は簡単に過ぎます.

ところが,下肢切断術ではブロック後15分とかからずに執刀になります.ブロックが充分効果が出る前に手術が始まるために,ブロックを失敗してしまったと思ってしまうわけです.下肢切断術では考えを変えなくてはなりません.坐骨神経を愛護的にブロックする必要はないのです.どうせ切られてしまいます.迅速でかつ完全な神経遮断を行うためには,神経内注入intranerural injectionをしなければなりません.神経内注入により局所麻酔薬の使用量を減らせますし,作用時間も長くなります.

持続神経ブロックは坐骨神経にだけカテーテルを入れておけばよいと思っています. Dr Eichenbergerは,フェノールをついでに注入すると言っていました.

4 件のコメント:

  1. 神経内注入ですが、膝下切断を行うときに膝下で坐骨神経をブロックを行うと穿刺部位は足として残りますよね?
    残った足に神経障害性疼痛は生じないのでしょうか?
    無知で申し訳ありませんが教えて頂ければありがたいです。

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  2. 膝下切断で,膝下で坐骨神経ブロックをするというのはどういう事でしょうか?

    坐骨神経を切断した時点で,すでに神経障害性痛は生じるわけですから,何も恐れる必要はないということです.

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  3. ご回答ありがとうございます。
    正しくは「膝下切断に対して膝窩アプローチの坐骨神経ブロックを行う」の入力間違いでした。
    本日は足趾の切断を膝窩アプローチの坐骨神経ブロックで管理しました。

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  4. 神経刺激を併用すると坐骨神経は神経外膜を針先が貫通しないと, Twichがでないことがよくわかります.そして注入すると総腓骨神経と脛骨神経の間に亀裂ができて,ばらけます.こうした注入と総腓骨,脛骨神経が膨化するような神経内注入,つまりは神経束注入は区別する必要があると思います.

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