2011年4月6日水曜日

ブロック後に患者が痛みを訴えたとき(3) Consider the Anatomy!!

ブロック後に患者が痛みを訴えたときに,どう対処するか?それが執刀前という場合には,ブロックが効果が出てくるまでの時間を考慮して、失敗か否かを判断する必要があります.しかし,日本ではブロック室たるものはありませんから,はじめからMIAのような深い鎮静もしくは全身麻酔を末梢神経ブロックに併用します。これで、執刀前にブロックの成否にヤキモキする必要がなくなります.オピオイドを上手にコントロールすれば,執刀時にブロックの成否も判断できます。その時点でオピオイド主体の麻酔に切り替えればいいのです.

手術終了して覚醒後に患者が痛みを訴えた場合は解剖を考えないといけません.侵害刺激の伝達経路としてどんな神経が挙げられるかを考えてください.そして伝達経路のうち,自分は全経路を末梢神経ブロックで遮断しているのか,一部しか遮断していないのか判断します.そうしないとブロックの手技が失敗したのか,ブロックの作戦,つまり,ブロックの選択の失敗なのか分かりません.よく膝の手術に大腿神経ブロックだけして,患者が痛がっていたと言っている麻酔科医と整形外科医を見かけますが両者とも論外です.

0 件のコメント:

コメントを投稿