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2011年11月22日火曜日

腹直筋鞘ブロック v.s. 局所浸潤麻酔

体幹の神経ブロックの講義をしていると,時に外科医に術野でやってもらってはいけないのですか?と尋ねてくる麻酔科医がいます.僕は決まって「自分でやったほうが効果がよい.」と答えます.外科医が術野でやるのは浸潤麻酔であって,僕たちが超音波ガイドでやるコンパートメントブロックとは異なるからです.

British Journal of Anaesthesia 2011;107:790-5で臍ヘルニア修復術において超音波ガイド腹直筋鞘ブロック(rectus sheath block; RSB)と外科医による局所浸潤麻酔(local anesthetic infiltration; LAI)の鎮痛効果を比べたものがあります.観察者には,どちらの鎮痛法が選択されたのか分からないようにして行われた前向き研究です.

対象は臍ヘルニア修復術を予定された5~18歳の小児54名

超音波ガイド腹直筋鞘ブロックと局所浸潤麻酔ともに,0.25%ブピバカインを体重<12 kgで0.5 ml/kg,>12 to <30 kgで12 ml,>30 to 40 kgで16 ml, >40 kgで20 mlを使用しています.RSBは執刀前に行っており,LAIは手術終了後に行っている.

評価項目は
1.モルヒネ使用量:腹直筋鞘ブロックが有意に少なかった.
         RSB; 0.07 mg/kg vs LAI; 0.13 mg/kg.
2.初回鎮痛薬を要求するまでの時間は,RSBのほうが長い傾向があったが,有意差はあるとは言
えなかった. RSB; 49.7 min vs LAI 32.4 min. 鎮痛薬を使用する人の推移をKaplan-Meier生
存曲線にすると,LAIでは術後早期に使用する人が多かった.
3.フェーススケールによる鎮痛の質に有意差はあるとは言えなかった.        
4.嘔吐の発生頻度も有意差があるとは言えなかった.

鎮痛薬の使用状況から考えると,やっぱり自分の手でコンパートメントブロックをするほうが良さそうです.

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