2011年11月23日水曜日

戦場麻酔におけるcontinuous TAP blockの役割

五所川原の佐藤先生が以前,僕に「麻酔科学は米国が戦争を起こす度に躍進する.」と教えてくれました.ベトナム戦争における輸液,9.11以後のアフガン・イラク戦争における神経麻酔と超音波ガイド神経ブロックが良い例です.

Pain Medicine 2010;11:1426-9で,アフガン戦争における戦場麻酔としてcontinuous TAP blockの有効性が報告されています.凝固異常をもった重度腹部外傷患者に応用したのです.Continuous TAP blockは二日にわたるダメージコントロール・サージェリー後に,超音波ガイド下に挿入されています.針はBBのContiplex Tuohy needleを使って,40万倍アドレナリン入り0.5%ブピバカインを20mlを投与してから,カテーテルを挿入しています.各カテからは0.125%ブピバカイン8ml/hで投与していきます.Continuous TAP blockによる良好な鎮痛により,抜管が可能となり,患者のを搬送させることができたようです.

この論文は,自爆テロの被害者をダメージコントロール・サージェリーで如何に救命したのかが良く理解できる内容になっています.その意味でも一読をお勧めします.

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