2011年11月8日火曜日

超音波ガイド神経ブロックで初心者が冒しやすい過ち(3)

Dr Brian D. Siteはシミュレーション教育で,指導する内容は3つ.
1)人間工学的に無理な姿勢,
2)針の刺入技術の限界,
3)画面上の左右の間違い.

人間工学的に無理な姿勢に関しては,手術台の高さを低くしたり,超音波診断装置を自分の背後においたりした状態でブロックすることが手技に与えることを教えます.

刺入技術の限界では,交差法がいかに不正確にしか針先を描出できないかを学びます.深い部位
では,いかに簡単にターゲットを通り越して刺入してしまうかを必ず見せます.

実際の左右と画面の左右が異なったまま,針を刺入すると,意図せずたくさんの構造物を針で損傷させてしまう(針のコントロールができなくなる)ことを教えます.

このシミュレーション教育の内容も僕自身が臨床の現場で必ず指導している内容です.僕のところにきた三人は僕のブログを読んでどう思ったでしょうか?今回の超音波ガイド中心静脈穿刺において平行法を上手にやるためのコツとして挙げた内容とも一致します.僕自身はエキスパートでもなく,エキスパートを育てているわけでもない.僕はBrianが行っている初心者向け教育を一人の麻酔科医に徹底的に仕込んでいるのだと理解しました.

2 件のコメント:

  1. 先生のブログが更新される前に僕もASRA newsを読んでみたのですが、”あー、そうそう”という内容ばかりでした。基本的なことばかりですが、基本的なことをおざなりにしている人が多いということなのでしょう。おっしゃる通り、先生は基本的なことを徹底的に仕込んでいらっしゃるのだと思います。ということは、その教えは比較的容易に再生産可能なものであり、今度は自分が周りに伝えていかなければならないことだなあと思いました。

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  2. 基本を教えていただき、ありがとうございます。
    鹿児島に帰ると、エキスパートのように思われている自分がいます。
    ただ自分では、針の描出能力の向上、ブロックに対する姿勢を叩き込まれて帰ったように感じます。
    今からは、学んだことを周囲に広め、自分はエキスパートになれる様日々を過ごしていきます。

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