2011年3月5日土曜日

Lung Ultrasound (3) :気胸

正常肺では壁側胸膜と臓側胸膜のsliding signと胸膜の多重反射によるA lineが観察されます.気胸では,sliding signがなく,A lineのみとなります.さらにプローブを移動させながら観察すると,壁側胸膜が臓側胸膜と接している境(lung point)が呼吸性変動しているところが観察できます.この3所見は感度81%,特異度99%です.もし,Bモードだけで気胸を診断しにくいときは,Mモードを使うとよいでしょう.正常肺では肺が呼吸性変動することで,肺実質が砂状パターンを呈します.気胸では呼吸性変動がないために,A lineが水平線を作るのみです.
Mモードでは肺実質は呼吸性変動によりsandy patternを呈します.
胸膜も呼吸性変動により乱れた不明瞭な線になります.
気胸ではsliding signがなくなるために,胸膜も明瞭な線となります.
肺実質でもsandy patternを呈さずに,水平線がたくさん観察されます.
ちょうど,lung pointのところでMモードをみているので,Mモードの中央部分は
肺実質を捉えてsandy patternとなっています.

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