2011年3月26日土曜日

原発事故で思うこと

今回の原発事故で思い出したことがります.2007年に沖縄で開催された麻酔サマーセミナーで,麻酔科医で,医師になる前に原子力発電所の開発に携わっていた演者が麻酔に関して講演をされました.この方が講演の冒頭で,原発の仕事を辞めて医者になった理由をお話されました.その内容が今回の原発事故の原因を表していると思います.この先生が言われたことの主旨は,「原子力発電所の安全設計の計算値はいい加減で,当時のまじめな自分はその問題点を組織に指摘した.しかし,当時の組織は,自分が指摘した問題を直そうとすると原発が造れない.それで,自分が指摘した問題点をもみ消した.自分はこんないい加減な組織で働くことが嫌になったから医者になった.」というものでした.つまり,この先生は,はじめから原子力発電政策ありきで原子力発電所が作られ,安全が軽視されていることを倫理的に許せなかったわけです.この先生が言っていた組織がどこの電力会社かは知りません.しかし,原子力発電所の開発に携わった麻酔科医が言っていたことが,今,現実のものとなるとは思ってもいませんでした.原発事故は安全を無視してきた者による人災かもしれません.

1 件のコメント:

  1. 平井憲夫氏という方が「原発がどんなものか知ってほしい」というタイトルで、日立の作業員、監督として島根原発、福島原発の建設、保守を行った現場からの経験を書いています。この話、ネット上では多くは背びれ尾びれのついた作り話だということになっていますが、この元原発開発者の麻酔科の先生もこのようなことをおっしゃっている・・・平井氏の話も全てが嘘というわけではないという気がしました。

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