外側大腿皮神経ブロックを超音波ガイド法で行う方法が文献で散見されるが,本当に映るのだろうか?答えは否である.
外側大腿皮神経は腸骨筋表面を外下方に走行し,上前腸骨棘より1cm内側で鼡径靭帯の下を通って骨盤から大腿外側表面に出る.大腿外側で縫工筋を横切りながら,腸骨筋膜,大腿筋膜を貫いて大腿前面および外側面に分布していく.Cnilical Anatomy 2009;22:365-370で,meralgia sydnromeと言って,外側大腿皮神経の絞扼にともなう痛みとしびれを訴える整形外科疾患がある.それに対するRoth手術をした際の外側大腿皮神経の解剖学的変異を調べた報告がある. それによると,実際にはその神経走行には解剖学的変異があるのだ.骨盤から大腿外側に出てくる際に,鼠径靱帯の下を通過するもの(85.2%),鼠径靱帯を貫くもの(8.9%),鼠径靱帯ではなく腸骨の孔(iliac canal)を通るもの(4.4%)がある.また上前腸骨棘周囲で観察されないもの(8.8%)まである.骨盤から出た後では,大腿筋膜下を走行する場合(88.5%)と大腿筋膜上を走行する場合2.7%)がある.大腿筋膜下を通過するものの多くは下外側方向に走行する(87%)が,下内側方向(11.5%)や外側方向(1.5%)に走行ものがある.一方,大腿筋膜上を走行するものは下外側方向に走行する.これだけみても,そう簡単に超音波で外側大腿皮神経を描出してブロックできるはずがない.
上前腸骨棘近傍で腸骨筋とそれを覆う腸骨筋膜を描出し,そこに局所麻酔薬を投与することが解剖学的変異をさける最良の方法のような気がする.
外側大腿皮神経は腸骨筋表面を外下方に走行し,上前腸骨棘より1cm内側で鼡径靭帯の下を通って骨盤から大腿外側表面に出る.大腿外側で縫工筋を横切りながら,腸骨筋膜,大腿筋膜を貫いて大腿前面および外側面に分布していく.Cnilical Anatomy 2009;22:365-370で,meralgia sydnromeと言って,外側大腿皮神経の絞扼にともなう痛みとしびれを訴える整形外科疾患がある.それに対するRoth手術をした際の外側大腿皮神経の解剖学的変異を調べた報告がある. それによると,実際にはその神経走行には解剖学的変異があるのだ.骨盤から大腿外側に出てくる際に,鼠径靱帯の下を通過するもの(85.2%),鼠径靱帯を貫くもの(8.9%),鼠径靱帯ではなく腸骨の孔(iliac canal)を通るもの(4.4%)がある.また上前腸骨棘周囲で観察されないもの(8.8%)まである.骨盤から出た後では,大腿筋膜下を走行する場合(88.5%)と大腿筋膜上を走行する場合2.7%)がある.大腿筋膜下を通過するものの多くは下外側方向に走行する(87%)が,下内側方向(11.5%)や外側方向(1.5%)に走行ものがある.一方,大腿筋膜上を走行するものは下外側方向に走行する.これだけみても,そう簡単に超音波で外側大腿皮神経を描出してブロックできるはずがない.
上前腸骨棘近傍で腸骨筋とそれを覆う腸骨筋膜を描出し,そこに局所麻酔薬を投与することが解剖学的変異をさける最良の方法のような気がする.
私は腸骨筋膜下ブロック的に、大腿神経ブロックが終了後針を抜いてきて穿刺部付近の腸骨筋膜下に局所麻酔薬を投与しています。これでほぼOKかなと思っていますが、たぶん筋膜の上を走行しているケースがありそうで、肝心なときに効いていないということがあります。
返信削除私もYASU先生と同様にしていますが効果が十分でないことが確かにあります。確実にブロックするために先生の方法を試してみます。
返信削除確認ですが、鼠径靭帯よりも頭側で腸骨筋膜を描出してそこに局所麻酔薬を投与するということでよろしいですか?
返信削除Anonymous先生,コメントありがとうございます.結局,それが一番だと思います.ASISの1cm内側,1cm尾側で,縫工筋表面で描出されるケースが多いのですが,それをブロックすれど不完全な症例に多々遭遇します.
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