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2012年2月10日金曜日

安心な神経ブロック

今日,藤子先生と一緒に超音波ガイド腋窩静脈穿刺をしていて気づいたことがあった.今まで僕のところに研修にきてくれた人達も,前半は僕が手技を中断して穿刺し直すように言われていた.しかし,後半に入ると何も言われなくなっていた.何故だろう?僕が安心して見ていられるようになったからだ.安心して手技を見ていられるようになるとは,どういうことか?それが手技の安全性という意味で大切であると気づいた.

僕は,このブログで「勝負画像上に針を描出する」よう修練しないといけないと言ってきました.別の言い方では,「プローブに針を合わせる」と表現しています.多くの麻酔科医は手術麻酔の超音波ガイド神経ブロックをしているあまり,プローブを動かして,針を描出する癖がついてしまっています.これを「針にプローブを合わせる」手技と僕は言っています.針にプローブを合わせる穿刺は,手術麻酔の神経ブロックでは問題を起こしません.しかし,胸部傍脊椎ブロックを含めたペインクリニックの神経ブロックや腋窩静脈穿刺では危険な状況を招くことあります.針を映そうと夢中になるあまり,勝負画像から逸脱して,勝負できない画像に変わっていることに気づかず,そのまま刺入を続けてしまうのです.腋窩静脈穿刺で言えば,勝負画像として腋窩静脈長軸像を描出していたにも関わらず,描出されていない針を映そうと,プローブが頭側にずれていき,いつのまにか腋窩動脈の一部が腋窩静脈とすり替わってしまっている.しかし,本人は,針が描出されたことに安堵して,腋窩動脈に向かって刺入しようとしている.このような状況が初心者には,よく見られるのです.

手技に熟練の思考はどうでしょう?恐らくは,次のようになっているはずです.
1.まずは勝負画像を描出.
2.針を勝負画像の中に描出.よ!刺入をしていこう!!
3.針が微妙に映っていない.
4-1.ちょっとプローブを動かして,針は映った.その画像でも勝負できる!よし刺入!
4-2.ちょっとプローブ動かして,針は映った.でも,その画像では勝負できない.よし刺入点変更!
*針が描出されないときは,3-4の繰り返し
5.映っていた針が途中で消えたら,針を引き戻す.針先が再び描出されたら,アライメントを調整.
6.針が再度描出され,アライメントも整ったあら,刺入していく.

たえず勝負する画像の中で針が描出されているかを気にしながら,手技が行われるので安心してみていられるのです.針を映すことに一生懸命で,危険な状況に気づかないのはだめなのです.

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