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2012年2月17日金曜日

腸骨筋膜下ブロックを超音波ガイドでやるべきか?

とある本の原稿で,4種類かのブロックについて書かねばならない.しかし,困ったことは筆が進まない.A&AでShafer教授が,自分が過去に書いたものでも盗用になると定義している.何度も同じようなことを書いてきた僕としては,同じ内容を違った表現でかくほど,文才がわるわけではない.その4つのブロックの一つに超音波ガイド腸骨筋膜下ブロックがある.

このブロックを超音波ガイドでやる意味があるのだろうか?僕自身はないと考えている.なぜなら,救急車に医師が搭乗するフランスから,大腿骨骨折の患者に救急車内で体表ランドマークと筋膜貫通感の二つだけで大腿神経と外側大腿皮神経が遮断できるということが報告されて,みんなの注目を浴びたからだ.超音波画像や神経刺激器がなくても安全,確実であることが証明されているわけだ.

それでも,超音波ガイド腸骨筋膜下ブロックを執筆しなければならない理由はなんだろう?初心者は筋膜貫通感が分からない.その筋膜貫通感を理解するために,超音波画像で大腿筋膜と腸骨筋膜を描出しながら,針を刺入するとよいのかもしれない.しかし,得てして画像ばかりが気になって,針から感じる筋膜貫通感に意識が集中しておらず,無駄に終わってしまうような気がする.Pediatric Anesthesia 2011;21:1261-4で小児の超音波ガイド腸骨筋膜下ブロックのケースレポートが報告されている.それによれば,薬液の広がりが分かること,針を頭側にむけて刺入した場合,腸骨筋のすぐ頭側に消化管があるので安全という利点があるようです.ただし,元祖のDalenは皮膚に垂直に針を刺入し,頭側にむけた刺入していません.Anaesth Intensive Care 2009;37:140-1では,成人患者で膀胱穿刺を起こした事例が報告されていますが,刺入点を間違えたとしかいいようがない.

結局,どう良いように考えても,腸骨筋膜下ブロックを超音波ガイド下に行うことはお勧めできない.故に,この原稿依頼はボツ!!本当はボツにできません.

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