2011年4月18日月曜日

睫毛反射に頼ってはいけない.

TIVAによる麻酔導入では,睫毛反射消失を意識消失と捉えてはいけません.睫毛反射消失後も,患者さんは呼びかけに反応します.しかし,麻酔専門医クラスでも,そのことを知っている人が少ない気がします.確かに,プロポフォールやチアミラールをボーラス投与すると睫毛反射消失と意識消失がほぼ同時に起こります.TIVAでは,プロポフォールの予測血中濃度を徐々に上げながら,軽い刺激を加えながら呼びかけに反応しなくなる(意識消失の)効果部位濃度を把握します.すると,睫毛反射が消失する効果部位濃度と意識消失する効果部位濃度に解離が出てきます.僕は,若手の麻酔科医が睫毛反射消失を確認後,直ぐにマスク換気や筋弛緩薬を投与しようとすると,ストップをかけます.そして,再度患者さんの意識消失を確認するように促します.患者さんが消耗反射消失後も目を開けることを教えています.

2 件のコメント:

  1. さすがにsiva先生ですね。

    私は睫毛反射を全くみないのですが、こだわっている人は多いですね。
    逆に覚醒時にオピオイドが効いていると、反射は回復しても呼名に反応がない状態がみられることもあるように思います。
    もちろん意識がある=呼名に反応ではないので、その意味では意識消失を確実に知る方法はないのかもしれないですが、、、

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  2. あまりに睫毛反射=意識消失と考える人が多いので,いつも言うのですが,なかなか浸透しない現実があります.それで教えてしまっている指導医がいることが残念・・・

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