2011年4月26日火曜日

重症頭部外傷における脳保護:中庸の概念

研修医の先生に重症頭部外傷では,麻酔科医として何かできることはあるのか聞かれました.麻酔科的にはマンニトール投与,輸液制限,過換気,TIVA,脳低温療法などいろいろあげる人がいると思います.

麻酔関連領域の技術・知識は戦争によって躍進します.ベトナム戦争は輸液・輸血治療の確立をもたらしました.アフガニスタンおよびイラク戦争では超音波ガイド神経ブロックによる持続神経ブロックが普及しました.実は,この9.11以降のアメリカの戦争は重症頭部外傷における我々の知識も一変させています.これまでPaCO2をどれくらいにしたらよいか,血圧はどれくらいに維持すべきか,輸液はどうするかなどと,我々は治療戦略としていろいろ執ってきましたが,実はnormocapnia, normotensin, normovolemiaが一番治療成績がよいということが分かってきたのです.数年前のIARSで,重症頭部外傷の治療戦略に関する講演のtake-home messageは「何も考えないことが一番の治療戦略だ.」と言っていました.東洋医学でいう中庸,それが一番肝心なのでしょう.

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