2011年8月10日水曜日

神経刺激ガイド法, 針先の固定が大切

下肢手術では腰神経叢ブロックと傍仙骨アプローチ坐骨神経ブロックの組み合わせさえ覚えたら,鬼に金棒.この二つのブロックは超音波ガイド法より神経刺激ガイド法のほうがやりやすいという話をしました.神経刺激ガイド法では,針先と神経の位置関係を把握することができません.通常0.2 ~ 0.5 mAで筋収縮が得られるところまで,針先を神経に近づけていき,そこで局所麻酔薬を注入していきます.神経刺激ガイド法の失敗率が高いと言われてきた理由は,針先が動いてしまうことで局所麻酔薬を神経周囲に注入できないからです.やっかいなのは,術者が針先が動いたことを認識できないことです.いつのまにか動いている.これが動かなくなると,神経刺激ガイド法の成功率が上がっていきます.

針先を固定することは,つまり皮膚の刺入部から神経までの距離を一定に保つことです.これがなかなか難しい.針を持っていない手で刺入部を押さえ込みますが,この抑える力が変わるだけで刺入部から神経までの距離は大きく変わります.刺入部を押さえ込む力を腕の力でやろうとしても無理です.脇を締め,肘を体幹にくっつけます.そして体全体で刺入部を押さえ込むと,刺入部と神経の距離は一定に保てます.さらに針を持っている手が宙ぶらりんだと,体がぶれると,知らず知らずに針を抜いていることもあります.針を持っている手を,刺入部を圧迫している片方の手に添えてロックしてあげると,針先はしっかりと固定されます.

1 件のコメント:

  1. YTです
    神経刺激これまた、先生が言っていたように弓道ですね。
    短期間の集中力なら、あるとは思うので頑張ります。

    しかも今日、自分の土俵探しすっかり忘れた自分に、こっそりfollowしてくれるpnbsiva先生にこっそり感謝している自分を再確認。まだまだ道のりは長いですね~。

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