酸素ボンベと二酸化炭素ボンベを取り違えたことが原因で患者さんが不幸な転帰と辿られたことは,周術期管理を生業とする麻酔科医にとっては悲しい出来事でした.この出来事を耳にして,僕がむかし勤務していた病院で,腹腔鏡手術で二酸化炭素ボンベでお腹を膨らませるところを,酸素ボンベを接続していることに気付き,手術中に急いでボンベ交換をしたことを思い出します.酸素ボンベと二酸化炭素ボンベの誤接続を永久的に無くすには,立法府を動かすしか手はないと思います.
救急救命士の気管挿管実習が秋田市の救急救命士が違法行為を行い,しかも,事実を作為的に変えた論文が作成されました(http://www.jaam.jp/html/report/report-akita020713.htm#0504 http://www.jaam.jp/html/report/report-akita030716.htm).本来なら,そんな事実を目の前にして,立法府も行政府も救命士による気管挿管のGoサインを出すはずがありません.しかし,この違法行為をマスコミがヒューマニズムとして取り上げたことで,救命士気管挿管にGoサインが出されました.
医療事故を防ぐべく,手術室で働く人々が一生懸命になって安全管理を行っています.その努力をしても,解決できないボンベの取り違いです.この問題をなぜマスコミは取り上げないのか?マスコミが取り上げれば,救命士の気管挿管のように事態は簡単に解決できると考えます.
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