2011年8月27日土曜日

持続末梢神経ブロックのカテーテル(2)

カテーテルが針先から送り出せないトラブルはどう対応すべきか?筆者らは,持続末梢神経ブロックを硬膜外針と硬膜外カテーテルで行っています.彼らは,手技を二人で行うことを薦めています.これをthree-hand techniqueといいます.一人がプローブを保持し,もう一人が針の操作とカテーテル挿入を行います.彼らは交差法で穿刺し,針先が神経近傍まできたところで平行法に変更して,カテーテル挿入を行います.その際,カテーテルが針先から送り出せない場合には,針を少し抜いたり,回転させたりするとよいと述べています.

僕自身のthree-hand techniqueは彼らとは全く違います.ひとりがプローブと針の操作を行い,もうひとりが薬液注入とカテーテル挿入を行います.手技も最初から平行法だけです.僕のthree-hand techniqueでは,カテーテルが針先から送り出せない原因は,途中で針先が薬液が拡がったコンパートメントから抜けてしまうことによります.もしカテーテルが送り込めない場合には,針先を再度描出して位置確認をします.その上で少量の薬液が正しいところで再度拡がるか確認して,カテーテルを留置しています.
また,筋膜直下でカテーテルを挿入する場合には,筋膜と硬膜外針のべーベルが向き合って,筋膜がべーベルに蓋をするような形になってしまい,カテーテルが送り込めないことがあります.その場合にはべーベルを回転させます.べーベルを回転させる動作は胸部傍脊椎ブロックカテーテル挿入で行います.

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