2011年8月25日木曜日

ファントムで何を身につけるべきか

世の中で一番使われているファントムはブルーファントムと思います.超音波画像はインピーダンスの差で画像を構築します.ブルーファントムは針とファントムのインピーダンスの差が大きく,生体より針が綺麗に描出されます.これは利点ではなく,欠点です.生体と同じ状況での針の描出性が理解できないからです.

臨床で実際に手技を行う前に身につけておくべきことは,以下の3つ.
1)どんな針を使って,どの刺入角度で刺したら,針がどの程度描出されるかを把握する.
2)自分の選んだ画像上に一発で針を描出できる刺入点を選択できるようにする.
3)ターゲットに向かって一直線に刺入できるような刺入角度を無意識に選択できるようにする.

この3点をファントムで身につけるべきで,それにはブルーファントムより生肉やハムを使ったファントムが最適だと考えます.ファントムの話をすると,薬液注入ができるかといった話があります.しかし,その時の注入圧は何の指標にもなりません.hydrodissectionといった液性剥離の技術がありますが,これも身につきません.これらは臨床経験の中で身につけていけばよいと思います.もっとも,豚の大腿部を購入すれば,注入に関しても学べますが,金額がかかりすぎます.

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