Anesth Analg 2011.113;134-137であり得ない帝王切開術の麻酔が報告されている.両側の超音波ガイドTAPブロック&腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経ブロックで前腹壁の体性痛のみに対応しただけで,あとはケタミンとプロポフォールの少量単回注入を繰り返して内臓痛に対処すると言った内容.4人の妊婦がこの麻酔法で帝王切開をうけているが,4人は脊椎後側弯症,強直性脊椎炎,妊娠性高血圧で脳出血を認めるが全麻を拒否している,HELLP症候群で局所麻酔を希望しているという妊婦.確かに,昔の本を読むと,全身麻酔も脊髄幹麻酔もできない場合には浸潤麻酔だけで帝王切開を行う方法が記載されています.しかし,こんな麻酔法を選択することはありえないのではないか.なぜなら,脊髄幹麻酔ができないうえに末梢ラインも確保困難な状況が仮にあったとしても,超音波診断装置があるのだから,中心静脈カテーテルを挿入して全身麻酔をすればよい.さらにTAPブロックと腸骨下腹・腸骨鼡径神経ブロックを併用していることの意味がよく分からない.著者らは,TAPブロックではT12,L1が不完全なことがあると述べているが,TAPブロックに片側10 mlしか使用しておらず少ない.何とも理解しがたい.
これ読みましたが同様の感想を持ちました。
返信削除雑誌にも得意不得意がありますので、査読側の問題もあるのでしょうね。日本の雑誌も症例報告レベルだと何故?こんなのあたりまえ!みたいなのが多いです。