2011年8月31日水曜日

傍脊椎腔の出血

僕自身は,胸部傍脊椎ブロックを凝固系が低下した患者さんや血小板数5万までの血小板減少患者さんに行っています.その場合,血管損傷のリスクを避けなければなりません.何度も針を刺し直すことは許されません.プローブに針を合わせる技術が要求されます.針にプローブを合わせる技術しかない人は,迷い針となり,何度も何度も穿刺を繰り返してしまい,結果として,血管損傷のリスクが増します.針は太い硬膜外針を使います.そのほうが傍脊椎腔を走行する肋間動静脈の損傷を避けることができます.太い硬膜外針のべーベルをプローブに向けて刺入すれば,針先の描出性が向上するだけではなく,針先の丸い部分が肋間動静脈に向くために愛護的な刺入が可能となります.
実はPubmedやGoogle sholarで"胸部傍脊椎腔の出血"を検索してもヒットしません.傍脊椎腔での出血が問題になっていないのは,胸部傍脊椎ブロックを脊髄幹ブロックと同様の基準で行っているからなのか,それとも出血が起きても臨床的に大きな問題になっていないからなのか分かりません.出血傾向のある患者に胸部傍脊椎ブロックをして良好な急性痛管理ができたという報告が散見されるようになっていることだけ事実なのですが・・・.

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