2011年3月27日日曜日

A &Aが論文盗用をチェックするプログラムを導入

Anesthsia & AnalgesiaでSteve L. Shaferが盗用plagiarismについてEditorialで述べて,Cross-Checkというプログラムを導入して文章の盗用を防ぐと言っています.盗用とは何かを知ることは,英語に不慣れな我々が医学英語を書くときに重要です.盗用には,1) Intellectual theft, 2) Intellectural sloth, 3) Plagiarism for scentific English, 4) Technical plagiarism, 5) Self-plafiarismの5つがあります.

Intellectual theftとは,他の論文の分析結果をそのまま盗んだり,他の著者の特異な隠喩を使ったり,他の論文の文章の一部をそのまま使ってしまうことを言い,盗用において最も深刻で絶対にやってはいけないものです.

Intellectual slothとは,新しい表現で述べるのが面倒で他の論文の表現をそのまま使用してしまうことです.神経ブロックの手技を述べる際に多々あるようです.Intellectual slothがpeer reviewの段階で発見されるとrejectもしくはrewriteということです.出版後に発見された場合は,取り消し,修正,謝罪を要求するそうです.

Plagiarism for scientific English は,英語に不慣れなものが自分達の言わんとしようとすることを的確に述べるために他の著者の表現を一字一句そのまま使用してしまうことです.Anesthesia & Analgesiaで最も見つかるのも,これです.主にnon-nativeが冒します.non-nativeが英文を作るとき,ひとつの論文だけから表現をもらってくることはなく,ネット,いくつかの論文から部分的に文章を借りてきて,それらを校正しなおして正しい英文を作ります.Shaferは、そのこと自体はplagiarismとは考えないが,研究がコピペ文章では不正確に述べられているのではないかと心配しています

Technical plagiarismとは,引用文献をつけて,一字一句その文章を使用すること.他者の考えを盗用する意図はないものの,他者の表現をそのまま使用する場合に,その表現だけを使うのは厳密には盗用に当たります.その表現が誰のものかを"As Shibata et al. noted, ..."のような節をつけることで,Technical plagiarismを回避することができます.

Self-plagiarismとは,自分が以前書いたものから,そのまま文章をもってくることをいいます.論文のすべてが以前の自分の論文と全く同じ,つまり複製が最悪のSelf-plagiarismとなります.一部分で自分の以前の文章を使うことに関しては,著者に毎回毎回,独自の表現を使うようにするのは現実的ではありません.なぜなら,毎回表現を変えると,以前の正しく表現された文章が間違ったもの変わるリスクがあるからです.自分の文章を使うのは,新しい論文の10-30%程度が許容範囲.Shaferは30%以上は認めていません.Anesthesia & AnalgesiaではMethodsでのみ許すとのことです.ある著者がself-plagiarismを理由にAneesthesia  & Analgesiaに掲載された論文を撤回したことがあるが,self-plagiarismのみで掲載論文を撤回することもないということです.その論文がAnesthesiologyでpeer reviewをうけて掲載された論文と類似しており,新しい推論がないと判断したからだそうです.

我々は英借文を作ることが多いですが,くれぐれも盗用にならないように注意すべきですね.

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