2011年1月7日金曜日

超音波ガイド腋窩静脈カテーテル挿入

 中心静脈カテーテルの挿入でいう「鎖骨下」とは第一肋骨外側縁より内側で穿刺すると鎖骨下静脈を穿刺したことになり,外側で穿刺すると腋窩静脈を穿刺することになります.超音波ガイドではその境界を描出し穿刺することになるので,時に鎖骨下静脈穿刺になり,時に腋窩静脈穿刺になります.体位は仰臥位で,穿刺側の上肢は内転し,体幹にくっつけておきます.プローブを三角大胸筋溝に沿って起くと,プローブは第一肋骨を横切る腋窩静脈から鎖骨下静脈の連続する部分を描出します.すると,刺入点はかなり外側になります(写真).このアプローチを紹介すると,この位置でカテーテル固定が患者の行動を制限してしまうと思っている麻酔科医がいます.本アプローチでカテーテルを挿入した患者さんに話を聞くと,腕をグルグル回しながら別に気にならないと言われます.テニスや野球をするわけではないので,入院生活の活動範囲内なら,この位置でのカテーテル固定は問題がないと僕は捉えています.

2 件のコメント:

  1. 一度目に内頸静脈から穿刺され、次に、この鎖骨下から穿刺した方から、
    「頸の方が邪魔だった」、「こちらの方が楽で助かる」
    と言っていただいたことがあります。

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  2. 患者さんから意見を聞くと,我々が考えもしなかったことを教えてくれることがあります.愛知医大に勤務した時代のことですが,開腹術を2回うけ,1回目は硬膜外麻酔,2回目は末梢神経ブロック&麻薬静注で鎮痛を受けた患者さん数人の方から末梢神経ブロック&麻薬静注のほうが良かったと教えてもらいました.短絡的に末梢神経ブロック&麻薬静注のほうが良いと結論づけるのではなく,何故この患者さんにとって,その鎮痛法がよかったのかを考えるといろんなことが分かってきます.

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