2011年1月8日土曜日

超音波腋窩静脈カテーテル挿入での腋窩静脈の描出

 超音波腋窩静脈カテーテル挿入を平行法で行うときのポイントをお話していきます.コツは神経ブロックと同様にプローブに針を合わせること,つまり,最も綺麗に腋窩静脈から鎖骨下静脈までの移行部長軸像を描出したら,その画像上に針を描出する能力が要求されます.
 最も綺麗な「腋窩静脈から鎖骨下静脈までの移行部長軸像」とは,超音波ビーム面が静脈短軸像(円の形)の中心点を通る像です.中心点を通らないと,静脈壁に垂直に超音波ビームが当たらないので静脈壁が不明瞭になります.さらには前後径の細い静脈として描出され,針先が静脈壁を貫く時の安全域も少なくなります.
 もう一つ重要なのはベットの高さです.腋窩静脈をプローブの圧迫でつぶさないようにプローブを当てる力を調節する必要があります.ここが神経ブロックと違う点です.神経ブロックでは静脈をプローブで圧排してから行うので,手技の感覚が違うのです.プローブをもつ側の肘をベットに置いて固定すると,プローブを皮膚に当てる力を調整できるようになります.術者はイスに座り,肘を楽な姿勢でベットに固定できるように,ベットの高さを調整するとよいでしょう.もちろん,肘が不潔にならないように大きめの滅菌コンプレッセンを使います.

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