2011年1月21日金曜日

腕神経叢ブロックはひとつでOK

 超音波ガイド腕神経叢ブロックでは,斜角筋間アプローチと鎖骨上アプローチの二つで上肢の手術すべてに対応ができます.Andre P. Boezaartは超音波ガイド神経ブロックが普及する以前から,Cervical paravertebral block(CPB)というアプローチであれば,肩から手までの手術すべてに対応できると言っています.このアプローチは肩甲挙筋後縁と僧帽筋前縁の交点を刺入点として,後外方から前内方に向かって,ちょうど胸骨切痕に向けて刺入し,肩の手術であれば針先をC5の筋収縮を,手の手術であればC7,8の筋収縮を得て局所麻酔薬を注入します.超音波ガイド法でBoezaartのCPBを見直すと,ちょうど斜角筋間アプローチと鎖骨上アプローチの中間,C7横突起の横断像が描出されるようにリニアプローブを置きます.この画像では腕神経叢が一列に並び,C7の内側に椎骨動脈が描出されてきます.この画像上で,肩の手術ならC5に,手の手術ならC7に針先を進めていけばよいのです.僕は,ひとりでやるときの超音波ガイド腕神経叢ブロックはCPBを行っています.だた刺入点がCPBと違い,プローブに合わせた刺入点になります.斜角筋間法より尾側,鎖骨上より頭側レベルでの腕神経叢ブロックなので,Low interscalene brachial plexus blockと勝手に呼んでいます.

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