どうやって超音波ガイド神経ブロックを教育していくかを僕なりに考えています.何を教えなければいけないかを決めていかなければなりません.特に,自分が感覚として身につけている部分は言葉にするのは難しいです.指導方法については,一般的には,ブロックの難易度の低いものから行わせて教育していくという方法があります.これに関しては,僕は懐疑的です.ただ,独学で神経ブロックを開始する人が難易度の低いものから始めるということには賛成です.K先生に関しては,この指導方法をとりませんでした.K先生は全くの初心者でしたが,最高難易度の持続胸部傍脊椎ブロックから開始しました.そして,しばらくしてから難易度の低いTAPブロックや腹直筋鞘ブロックをやり始めました.K先生の目標が「胸部傍脊椎ブロックのカテーテル挿入ができるようになりたい.」ということだったからです.面白いことに,一ヶ月ほどした段階で,K先生は胸部傍脊椎ブロックは上手にやるのに,TAPブロックや腹直筋鞘ブロックでは全く針が描出できませんでした.これはブロックの種類によって,プローブ固定に必要な技術が全く異なることを意味しています.指導者は,個々のブロックにおいて何が危険で何が安全であるか見極められなければなりません.指導者がいれば,あまりブロックの難易度に固執する必要はないと思います.ありとあらゆるブロックを一緒に行いながら,たくさんのブロックの技術を磨いてもらえばよいと思います.
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