2011年1月14日金曜日

腕の良い整形外科医と坐骨神経ブロック

 麻酔科医は毎日,たくさんの手術の麻酔を担当する.一人の外科医が年間に手術をする症例数をはるかに上回る手術件数をこなしているので,次第に目が肥えてくる.若い麻酔科医でも,外科医の腕を見抜く心眼ができます.
 僕は3つ大学病院を渡り歩き,手術の麻酔をこなしてきました.そんな中でバイトで行った八施設の整形外科手術で末梢神経ブロックをたくさんの患者さんに実施してきました.整形外科医は膝関節手術や股関節手術の終了後に坐骨神経の機能を確認するのが基本です.ところが,末梢神経ブロックで坐骨神経をブロックしてしまうと,術後に坐骨神経の機能を評価できなくなります.腕のよい整形外科医は,手術にリズムがあり,手術時間が短いという特徴があります.実はもう一つ特徴があると思います.腕のよい整形外科医は術直後の坐骨神経機能評価に固執しません.むしろ,患者さんに痛みが少ないほうがよいので末梢神経ブロックをどんどんやってほしいと言われます.自分の手術で坐骨神経を傷つけないという自信の表れでないかと思います.自分が出会った整形外科医にはこのような傾向がありました.みなさんの御施設はどうでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿