2011年4月23日土曜日

超音波ガイド神経ブロックの考え方(3):失敗したらやり直せ

自分の病院の外科医がよく行う手術,切開に習熟しておくことは,超音波ガイド神経ブロックでは大切です.しかし,時にそうした慣れが失敗の原因になることもあります.

「腹腔鏡下肝臓腫瘍的手術で,いつものように右肋骨弓下に小切開が入ると思って,右側に胸部傍脊椎ブロックをしたら,小切開がお臍のあたりに入って,痛がってました.」という人もいます.自分の病院にいる外科医がいつもと違うアプローチで切開を行ったために,執刀前に行ったブロックが効果を発揮できなかったわけです.こうした場合でも,ブロックを一回で終わらせるのではなく,手術終了後に低濃度局所麻酔薬で神経ブロックをやり直せばいいのです.手術終了後なら,より選択的にブロックも可能です.

2 件のコメント:

  1. pnbsiva先生
     失敗・・というよりも、ラパロの予定が開腹になる事や切開創が追加される事もあり必要時点で神経ブロック追加する;という考えはいかがでしょう。
    これまでは術後鎮痛は術中管理と同時に?行うParallel process(style)でしたが、超音波ガイド神経ブロックは別の時相=Sequential processに行う事を可能にし、神経ブロックによる初期鎮痛+術後PCAは執刀Drだけでなく看護師サイドにもわかりやすく、受け入れやすいのではないかと思います。

    ほんとうに先生の仕事はEpoch-makingですね。

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  2. Smile-EGG先生
    コメントありがとうございます.まさに僕が言いたいことを先生がかっこよく決めてくださった感じです.

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