眼球周囲ブロック(peribulbar block)は眼科手術に使われている手技です.ただし,手技を身につけたからと言って,眼科手術すべてでやろうとしてはいけません.僕が考えている適応は,精神発育障害の患者さんの眼科手術と眼球摘出術の二つだけです.精神発育障害のある患者さんは術後に眼の違和感や痛みがあると,手で患側眼をこすったりします.そういうことをできるだけ避けたいからです.眼球摘出は,眼窩内構造物の損傷リスクを恐れる必要がありません.注意すべきは,眼球損傷に対する手術です.眼窩内は閉鎖腔なので,そこに局所麻酔薬を10mL程度注入すると,眼球が膨らんだ眼窩内脂肪によって押されて飛び出てきます.眼球にそれ以上力を加えたくない状況では,このブロックはすべきではないと考えます.
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