2011年5月27日金曜日

伏在静脈をつかったF-Pバイパス術もしくはF-Tバイパス術

当院の血管外科では重症下肢虚血に対して,患肢の伏在静脈をつかったF-Pバイパス術が行われます.この際の麻酔法として僕は末梢神経ブロックをおこなってます.伏在静脈を採取するために大腿神経ブロックと陰部大腿神経大腿枝ブロック,下腿動脈より末梢への血管吻合のために坐骨神経ブロックを臀下部アプローチもしくは膝窩部アプローチで行います.

ブロックの数が多くなると,局所麻酔薬の使用量も多くなってきます.その場合には神経成分の局在を知ることで局所麻酔薬の量を抑えることができます.例えば,大腿神経ブロックでは大腿部の皮膚知覚と伏在神経がターゲットになります.鼡径靱帯レベルでの大腿神経短軸像は平べったい楕円形になります.その楕円を中心を通る水平線で浅層,深層に二分し,中心を通る垂線で二分すると内側,外側に二分できます.大腿部前面の皮膚知覚は楕円形の浅層(内側,外側)に局在します.伏在神経は内側深層に局在しています.よって,少なくとも,大腿神経の皮膚表面(浅層)と大腿神経の内側に局所麻酔薬を拡げておくようにすればよいわけです.
大腿神経.左が内側,右が外側

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