2011年2月27日日曜日

MIAではお腹の動きに注意しよう

 昨今,麻酔科医の育成において気管挿管して全身麻酔をすることばかりを教育している施設が多いんじゃないでしょうか.自発呼吸を温存と言っても,LMAやigelを挿入して,声門上気道確保を行っていると思います.大学でも,全くの気道確保なしでのdeep sedation を習練している若手はいません.
 プロポフォールとケタミンによるdeep sedation (Minimally invasive anesthesia, MIA)では,僕は全く気道確保することなく手技を行っていきます.ほとんどの場合,全く気道に注意する必要がありませんが,時に顔の位置を調整してあげないと,気道の通りが悪くなってしまうことがあります.そんな場合,僕はみんなが慌て始めるより随分前に「酸素飽和度が落ちてくるよ」と宣言して,みんなが慌て始めたときには「慌てなくてもいい,騒がなくていい」と呑気に手技をやっています.お腹の動きを見ていれば,酸素飽和度の動向は予測がつきます.顔の位置が悪くて,気道が一時的に閉塞したときには,胸とお腹はシーソー呼吸を呈します.気道閉塞が解除されたときには,胸とお腹は強調して動きます.酸素飽和度はその胸腹部の動きより遅れて変化します.患者さんの胸腹部の動きさえ見ていれば,予測がつくわけです.

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