2011年2月8日火曜日

大腿骨頚部骨折の麻酔

 大腿骨頚部骨折の手術は高齢者が多く,全身麻酔ではなく,脊髄クモ膜下麻酔を選択したくなるときも多いかと思います.しかし,側臥位をとってもらうのに苦痛を伴います.それ以前に手術台に移動するにも我慢してもらうことが多いのではないでしょうか.僕も以前はそうでした.「痛いけど,がんばって移りましょう.」なんて言っておりました.こんな時に役立つのは,大腿神経ブロックや腸骨筋膜下ブロックです.大腿神経ブロックなら1%キシロカイン10 ml,腸骨筋膜下ブロックなら20 ml投与して,5分程度待つと楽に移動や体位変換ができます.注意したいのは,鼠径部で大腿神経を遮断した後に,欲張って腰神経叢ブロックをしないことです.側臥位がとれたからといって,そのまま神経刺激ガイドで腰神経叢ブロックをしようすると失敗します.なぜだか分かりますか?単なるloss of resistanceで腰神経叢ブロックをするのは問題ありませんけどね.

1 件のコメント:

  1. いつも拝見させて頂いております。質問なのですが、大腿神経ブロックで、骨の痛みはそれで取れるのでしょうか。日ごろから、骨の痛みについて考えるのですが、あまり理解できておりません。勉強不足で申し訳ありませんが、教えていただけますでしょうか。

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