2011年2月23日水曜日

ケタミンによる喉頭痙攣

ケタミンを使用する際に一番,注意すべきなのは喉頭痙攣です.多くは咳き込んだあとに生じます.喉頭痙攣が起きたときは,静注用リドカインの投与で解除できます.早めの対処が大切で,咳き込んだらリドカインを投与してしまうくらいの迅速さが必要です.喉頭痙攣を起こした直後はマスク換気をしても無意味です.逆に刺激を与えて悪化させます.リドカインによって喉頭痙攣が解除されるまで,お腹の動きを観察しながらしばらく待ちます.シーソー呼吸をしなくなったら,もう心配はいりません.酸素飽和度が下がっていても,酸素を口元に当てておけば,しばらくして上昇してきます.

 ガイドラインでは,その発生頻度は0.3%で,主因分析でも特に要因を見つけられなかったと紹介しています.僕のバイト先の病院で,ケタミンによる喉頭痙攣の頻度を後ろ向きに調べたことがあります.発生頻度はもっと高かったです.これは喉頭痙攣を起こす手前の咳き込みまでも喉頭痙攣として位置づけて対処しているからだと考えます.年齢やアトロピン投与の有無,アトロピン投与からケタミン投与までの時間など,特にこれといって要因はみつかりませんでした.鎮静を開始する前に患者さんに,「つばをゴックンしてください.」と頼むようになってから,咳き込みが少なくなった気がします.単に気がするだけなんですが・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿