2011年2月21日月曜日

ケタミンによる覚醒時の不穏

 ケタミン単独投与では覚醒時に不穏になることがあり,これを予防する目的で,ケタミンにベンゾジアゼピン系を併用することが昔から推奨されてきました.2011年のガイドラインでは覚醒時不穏は希であるので,ベンゾジアゼピン系の予防的投与は成人にはしてもよい,子供では成人よりさらに希であるので推奨しないとなっています.ベンゾジアゼピンの予防的投与として,成人患者ではミタゾラム0.03 mg/kg ivを紹介しています.ミタゾラムの予防的投与により覚醒時不穏を17% (NNT=6)までに減少させられるようです.
 プロポフォールも,ミタゾラムと同様に覚醒時不穏を抑える働きがあります.プロポフォールとケタミンでdeep sedation下に末梢神経ブロックを行った後,そのまま全身麻酔に移行できるというメリットもあります.僕自身の経験でも,この方法で覚醒時に不穏となった患者はいません.ブロック終了後はそのままプロポフォールTCIを継続しながら手術を遂行するため,手術終了時にはケタミンの血中濃度が随分低下したところで,患者さんをj覚醒させているからではないかと考えます.

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