Acta Anaesthesiol Sand 2011;55:565-570に,超音波ガイド下に腋窩神経をブロックする方法が紹介されています.腋窩神経は肩関節後面で小円筋下縁,大円筋上縁,上腕三頭筋長頭と外側頭に挟まれた間隙を後上腕回旋動脈と一緒に三角筋直下に飛び出してきます.
上腕を体幹側面につけた状態で,肩関節後面で肩峰より2cm下方のところに高周波リニアプローブを上腕骨に平行におきます.三角筋の深層で小円筋短軸像が描出されます.小円筋の下縁で後上腕回旋動脈を見つければ,その近傍に腋窩神経を見つけることができます.
上腕を体幹側面につけた状態で,肩関節後面で肩峰より2cm下方のところに高周波リニアプローブを上腕骨に平行におきます.三角筋の深層で小円筋短軸像が描出されます.小円筋の下縁で後上腕回旋動脈を見つければ,その近傍に腋窩神経を見つけることができます.
腋窩神経をブロックする手技が確立される臨床的意義は大きいと思います.腕神経叢のうち,肩関節に分布するものは肩甲上神経,腋窩神経,肩甲下神経,外側胸筋神経の4つです.肩甲上神経ブロックと組み合わせることで,斜角筋間アプローチ腕神経叢ブロックよりさらに末梢で肩関節の痛みの大部分を遮断することが可能となります.つまり,ペインクリニック外来で運動機能を消失させずに肩関節痛の痛みを取ることが可能となるわけです.紹介した論文では運動機能が消失した被験者はいなかったとなっていますが,理論的には三角筋の一部が遮断されるはずです.論文の結果から判断しても,遮断されても,それほど日常生活に影響は及ぼさないはずです.超音波ガイド下に肩関節注射をする以外に以外に運動機能を消失させずに肩関節痛を完全にとってあげる時代の到来ですね.
今日、早速F先生とお互いに描出してみました。描出自体は容易そうですね。
返信削除近々ちょうどいい症例があったらやってみようと思います。