2011年7月14日木曜日

Capillary refill time (3)

成人では小児の場合と違い,循環血液量減少を同定する指標にはなりません.その代わりにショックの評価には有用です.ショックでは動静脈シャントが起き,毛細血管への血流が遮断され,毛細血管が再充満されなくなり,間質性浮腫により毛細血管透過性も亢進してきます.さらには血管内皮の浮腫,赤血球変形能の低下,白血球-血小板-フィブリン血栓と言った機序によっても毛細血管は閉塞して微小循環障害を生じます.毛細血管レベルの循環障害は治療によって全身の血行動態は良くなっても改善していないことが多く,その意味でもCRTを測定する意味があります.

以上のように,CRTは脱水,重症感染症,重症臓器不全で良い予測因子になるため,CRTを自動測定する機器が開発されているということでした.現時点での注意事項は,明るく,温かいICUではCRT <2秒を予測因子として使用してもよい.全身麻酔中は部屋が寒いし,ドレープがかかって測定部位が暗くなっているうえ,麻酔薬は血管拡張作用があるので,CRTを使用すべきではないということです.麻酔がメインの僕としては残念(-_-).

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