2011年7月6日水曜日

サンプルサイズの計算(8) 割合の比較

χ二乗検定で2グループ間の割合の差を比較したいときのサンプルサイズ計算をみてみましょう.あらかじめαエラーとβエラーを決めておけば,あとは各グループの割合を他の論文から見積もればOKです.

Xiaoguang Chenらは,dolasteron 12.5 mgの投与タイミングが婦人科腹腔鏡手術でPONV予防に影響を与えるかを調べています(Anesthesia Analgesia 2001;93:906-11).彼らは麻酔導入時にdolasteronを投与すると,PONVの頻度は70%.手術終了時での投与であれば35%の頻度と見積もっています.αエラーを5%,検出力を80%と設定し,サンプルサイズとして30としました.

これをSample size calculator for clinical researchで計算してみます.まず,アプリを起動して「Two-sample parallel: Prop. 1 vs Prop.2 (large-sample)を選択し,下のところで「Equality」と「Sample size」を選択します.次の画面でExpected proportion 1に35%,Expected proportion 2に70%,Alphaに0.05,Powerに0.8を入力します.Standard deviationとEffect sizeは入力する必要はありません.これでサンプルサイズが29と計算されます.各グループ29名あればOKとなります.

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