2012年3月25日日曜日

infraclavicular blockは1回注入でok,それでも・・・・

腕神経叢ブロック鎖骨下アプローチでは,内,外,後神経束が腋窩動脈周囲に描出されます.僕が始めて出会った鎖骨下アプローチの超音波ガイド法は各神経束に10mlずつ注入するというものでした.

Anesth Analg 2010;111:1325-27では腋窩動脈の背側に35mlをシングルショットする場合と15mlを腋窩動脈頭側に,20mlを背側に注入するダブルインジェクションを比較しています.それによると,オンセット,ブロック施行時間,刺入経路の数,ブロック成功率に有意な差があるとはいえませんでした.

Anesth Analg 2010;110:1480-5では,後神経束への1回注入と各神経束に注入する三回注入を比較しています.ここでも,ブロック施行時間に差があっただけで,成功率に有意な差はあるとはいえませんでした.

こうなると,自分が行ってきた三回注入法は時代遅れなのかもしれません.ただし,僕は3回注入法を辞める気がしません.なぜなら,後神経束に一気に針先を運ぶことが,針先の描出性の悪さのために難しいからです.超音波診断装置は二つの物質の音響インピーダンスの差でもって二つの隣り合う物質を違うものとして描出してきます.局所麻酔薬を刺入経路の途中で注入すると,音響インピーダンスの差が大きくなり,針先の描出性が上がるのです.小胸筋の下で薬液をいれ,そのまま内側神経束,あるいは外側神経束に薬液を拡げ,その後に後神経束にアプローチしたほうが遙かに安全にブロックが出来ます.

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