2012年3月15日木曜日

Golden Rule of 24

 当大学病院でもMRI対応手術室以外の全部屋にデスフルランの気化器が装備され,3月5日から使い始めています.その覚醒の早さと質に驚くばかりで,抜管後に自分の病理組織の結果を主治医に質問する患者さんもいました.TIVAで個人差を見ながら覚醒の質にこだわっていたのがなんだったのかと思うくらいです.
今日はデスフルランの販売元であるバクスターによって名古屋地域におけるデスフルランの講演会が当大学病院で開催されました.急遽決まったことらしく,あまり宣伝が上手く行き渡らなかったようです.講師は,ドイツの先生で韓国に来たついでに日本の数カ所でデスフルランの紹介のために来日された先生です.彼のtake home messageとして,Golden Rule of 24というのがあります.デスフルラン濃度×Total flowが24を超えると,喉頭痙攣や頻脈や高血圧などの副作用が現れるので注意しろというものです.

紹介された使い方は,気管挿管後,Total flow 3.0 L/minで8%にすると,2分で呼気デスフルラン濃度が4-5%になるので,その後はTotal flowを0.8 - 1.0 L/minで8%に設定しておくと呼気デスフルラン濃度が維持されるそうです.手術終了後は10L/minにTotal flowを挙げて,あっという間に覚醒というものでした.

覚醒の質が高い分,鎮痛が重要になります.講師の話では脳神経外科手術以外はレミフェンタニルは使用せず,基本はフェンタニルを使用して,術後鎮痛にもつながるような術中投与をするということでした.デスフルランが国内に導入されて,再びフェンタニルに脚光が浴びるといいなぁと思います.

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