2012年3月4日日曜日

ワークショップ見学

NYSORAのワークショップに参加してきました.といっても本番は明日,今日は見学だけしました.Karmakar先生から,「やるか?」と尋ねられましたが,「明日ね」と言って上手くかわしました.

このワークショップは古式ゆかしい神経刺激ガイドによるランドマーク法です.傍脊椎ブロックと腰神経叢ブロック,上肢,坐骨神経ブロックと足関節ブロック,大腿神経ブロックの4ブースでした.NYSORAの集団だからこそできるワークショップだなと思いました.僕も神経刺激ガイドで一通りはやってきたので,行けと言われたらやる自信はありましたが,午前中に引き続き,日本の恥をさらしてはならぬとおとなしくしていたわけです.おとなしくじっと見ていたからか,いろんなことが分かりました.

傍脊椎ブロックは初期のNYSORA本では横突起に針先が当たったら,針をwalk offさせて,1cm刺入しろと書いてありました.今日のワークショップでは1.5cmとおしゃっていました.karmakar先生に至っては、2cm刺入とさらに深く刺入されるとのことでした.傍脊椎ブロックをAnesthesiaとして行う場合は各レベルで5mlずつ注入.mastectomyではC7からT6まで全部やる.analgesiaとして行う場合は,single-injectionということでした.僕の個人的な意見では,single-injectionでもanesthesiaになると思っているのですが・・・・.

腰神経叢ブロックは初期のNYSORA本では棘突起から4cm外側が刺入点とありました.今日の話では3cmに変更されています.僕自身は3.5cmで行っています.

伏在神経ブロックは足関節より末梢に分布する人はごくわずかだから,足関節より末梢の手術でブロックする必要はない(25%程度は必要).末梢にいけばいくほど,変異が多くなるので,確実に効かせたいのなら大腿神経ブロックを5mlでやったほうがよい.僕自身は伏在神経ブロックをやるくらいなら大腿神経ブロックをやるというスタンスでずっといました.

僕も今後のソノサイトのエデュケーションで取り入れていきたいなと思いました.

2 件のコメント:

  1. ベトナムではやはりまだまだ超音波装置は貴重(特に神経ブロック用超音波装置となればなおさら)なのでしょうか?ホーチミンやハノイならいざしらず、田舎にはなさそうです。

    以前、中国の大連から新潟の病院に見学に来ていた中国人麻酔科医に聞いたことがありますが、中国では超音波装置はtoo expensiveで買えないから神経ブロックは神経刺激ガイドでやってると言っていました。
    北京や上海ではまた事情が異なるかもしれません。あと、患者の大病院志向がものすごく強くて、患者も金も大病院に集まると言っていました。日本のように一市民病院などが大学病院と同じクラスの設備を持っていたりするのは凄い、というようなことを言っていた気がします。

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  2. ジャイアン,まさにその通りです.どちらかと言えば,神経刺激器のほうが大事な気がします.刺激器が足りないから,所有している人は持ってきてくれと言われましたが,税関をクリアするのが大変だと思って,僕はもっていきませんでした.案の定,足りなかった.持ってきてあげればよかったと反省しております.来年も招待されたら,持って行こうと思います.

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