2011年10月2日日曜日

神経刺激ガイド神経ブロックのコツ(2)

皮膚のたるんだ高齢患者や皮下脂肪の多い肥満患者で,体表ランドマークを同定し,正しく線を描くために以下のことに注意して,体表ランドマークの同定と線引きを行います.

1.介助者の手に注意する
鎮静をした患者の体位を保持する際に,介助者が患者の体のどの部分に触れているかが問題になります.介助者がたるんだ皮膚を引っ張る形で体を保持している状況で,体表ランドマークを同定し,線を描いた場合,介助者が手を患者から離した瞬間に,たるんだ皮膚が元に戻り,折角描いた体表ランドマークの位置や線がずれてしまいます.そのため,不正確な刺入点で刺入してしまうことがあります.僕は鎮静を行う際は,昏睡体位にして,基本的には介助者に患者の体に触れなくてもよいようにしています.

2.体表ランドマークの触れ方に注意する.
体表ランドマークの触れ方も重要です.初心者に体表ランドマークを同定するように言うと,人差し指と中指を揃えて,グリグリしながら骨(後上腸骨棘や坐骨結節)を同定します.力をいれてグリグリしている間に,たるんだ皮膚を引っ張ってしまうことで,体表ランドマーク直上の皮膚に印をつけずに,ずれた位置に印をつけてしまうミスを冒します.体表ランドマークを触れる際は,人差し指と中指の間を開いて,その間に骨を挟むようにして,ソフトに触ります.坐骨結節を触知する場合は
フォークボールの握り方のように人差し指と中指で挟み込んで,その中間に印をつけます.印をつけた後も,やさしく何度も皮膚を押し,本当に印が体表ランドマーク直上の皮膚に位置しているかチェックします.

この2点に注意すれば,正しく体表ランドマークを同定し,線を描くことができます.

2 件のコメント:

  1. 以前見学に伺って特に勉強になったのはこれらのtipsでした。最近NSG-PNBをする機会が少なくて寂しいです…。

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  2. 整形外科でできなくても,形成外科,皮膚科,血管外科でできますので,いろんな症例でやってみてください.

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