2010年12月29日水曜日

超音波ガイド神経ブロックの穿刺法(1)


超音波ガイド神経ブロックで針の穿刺方法に平行法(In-plane approach)と交差法(Out-of-plane approach)があります.教科書的には,平行法は初心者向けという記載がされていますが,これはとんでもない誤解です.「超音波ガイド神経ブロックを今から開始しようという人は是非,平行法を身につけるべきだ.」と捉えるべきです.平行法は血管,神経などの重要構造物と針との位置関係が一目瞭然なので,手技の安全性を保証してくれます.しかし,如何せん針全体を描出できるようになるまでに多大な労力を要します.決して,初心者が容易に身につけられる穿刺法ではありません.講習会で講義をしにいくと,平行法は面倒だから交差法を選択しているという麻酔科医が意外と多いです.平行法の本質を分かっていないからだと思いますが,それ以上に危険な交差法を安易に選んでいることに気付いてほしいです.平行法について,しばらく話をしていこうと思います.

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