2012年11月15日木曜日

正しく使うのは難しい

日立の超音波診断装置で胸部傍脊椎ブロックをしつづけ、毎回、最適画像をえる設定に手間取り、先週、とうとうブロックをするのを諦めた話をしました。どうしてそうなったのか、日立アロカ(日立とアロカが合併)の方が説明をしに来てくれました。

バイト先病院で使用されている38ミリ幅のリニアプローブは、筋骨格筋系や乳腺の診断用に特化したもので、30ミリ深までに存在する構造物を観察するには抜群の能力を発揮します。しかし、それより深い位置になると、いくら周波数、フォーカス、コントラストを調節しても見えないということでした

リニアプローブがもっぱら30ミリ深までの観察が適するというのは、我々でも知っている知識です。ここで、我々、現場で使用する者が知らなければならないのは、30ミリ深を超えた領域において、我々の観察したいものを描出してくれるかは、リニアプローブの性能(もしくは開発の目的)によるということです。

手術室に超音波診断装置がなく、各部署から取り寄せながら、超音波ガイド神経ブロックをやっている麻酔科医の多くは、同様の事例に遭遇していると推察します。全国、津々浦々で講演をすると、時に、「先生の書かれているように描出しようとするが、画像がよく分からないのです。どうややれば、先生のように描出できるのですか?」と尋ねられることがあります。今まで、この質問の意味が理解できませんでした。プローブの当て方の説明をソノサイトを使って説明すると、「これだと,よく見えるんですね。」という返事が返ってきたことがありました。これは、リニアプローブの性能による問題なのでしょう。

やっぱり、超音波ガイド手技のために開発された超音波機器を麻酔科医専用に購入することが一番なんでしょう。

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