2012年12月28日金曜日

年末最後の良い知らせ

自分が診ている大学四年生の患者さんがいます。大学一年のときに、検診の採血針によって左腕の慢性痛を抱えました。この年末、患者さんは国家試験の勉強と卒業論文用の研究や執筆で左腕だけでなく、左手、右手にまで痛みがでてきてしまい、どうにもこうにもならなくなってしまいました。左手をかばうあまりに右手も酷使しているので無理もありません。前回の診察で、どうしたらよいのか分からなくなり、患者さんは泣いていました。そんな患者さんに、僕は、自分の母が戦争で祖父が死んで母子家庭の中で、辛い中を生き抜いたこと、そんな母がどんな時も諦めなければ道が開けるということを僕にアドバイスしてくれることを話ました。そして、最後に、歯を食いしばってでも、この困難を乗り越えろと伝えました。もちろん、精神論だけではなく、右手と左手の超音波画像診断を行い、責任病変部にステロイドを超音波ガイド下に行いました。今日、その患者さんが卒業論文の発表が終わったと、発表スライドの写しをもって、笑顔で報告してくれました。箸すらもてなかった患者さんですが、ボールペンに巻きつけるデバイスを使い、この難局を乗り越えたそうです。これからも、いろんな困難が立ちはだかると思いますが、大丈夫だと感じました。こういう瞬間に出会えることが、僕にとっての幸せである。

2012年12月22日土曜日

フィリピンからの手紙

フィリピンの麻酔科医から、胸部傍脊椎ブロックを教えて欲しいとメールがきました。久しぶりの海外からの手紙に、すこしワクワク。喜んで引き受けましたが、本当に来るかどうかは分かりません。
どうでしょう・・・・?

2012年11月16日金曜日

アメリカからの来客

富士フイルムソノサイトのsenior user interaction designerのAmandaさんとmanagement analystのNaomiさんが,ペインクリニックでのM-tubroの使う状況を視察しに、大学に来られました。今後の超音波画像診断装置がどのようなものにしていくべきか参考にするためです。お役に立てられるようなものであったか、よく分かりませんが、ウィレナさんと二人でブロックをしている姿をみてもらいました。今日の僕たちの姿をみて、どのように富士フイルムソノサイトの装置が進化していくのか楽しみです。診療の終了後にインタビューも受け、最後に記念撮影。単に写真を撮るだけではつまらないので、なつかしのXライダーをイメージして、お二人にプローブでXの字を作ってもらいました。


2012年11月15日木曜日

正しく使うのは難しい

日立の超音波診断装置で胸部傍脊椎ブロックをしつづけ、毎回、最適画像をえる設定に手間取り、先週、とうとうブロックをするのを諦めた話をしました。どうしてそうなったのか、日立アロカ(日立とアロカが合併)の方が説明をしに来てくれました。

バイト先病院で使用されている38ミリ幅のリニアプローブは、筋骨格筋系や乳腺の診断用に特化したもので、30ミリ深までに存在する構造物を観察するには抜群の能力を発揮します。しかし、それより深い位置になると、いくら周波数、フォーカス、コントラストを調節しても見えないということでした

リニアプローブがもっぱら30ミリ深までの観察が適するというのは、我々でも知っている知識です。ここで、我々、現場で使用する者が知らなければならないのは、30ミリ深を超えた領域において、我々の観察したいものを描出してくれるかは、リニアプローブの性能(もしくは開発の目的)によるということです。

手術室に超音波診断装置がなく、各部署から取り寄せながら、超音波ガイド神経ブロックをやっている麻酔科医の多くは、同様の事例に遭遇していると推察します。全国、津々浦々で講演をすると、時に、「先生の書かれているように描出しようとするが、画像がよく分からないのです。どうややれば、先生のように描出できるのですか?」と尋ねられることがあります。今まで、この質問の意味が理解できませんでした。プローブの当て方の説明をソノサイトを使って説明すると、「これだと,よく見えるんですね。」という返事が返ってきたことがありました。これは、リニアプローブの性能による問題なのでしょう。

やっぱり、超音波ガイド手技のために開発された超音波機器を麻酔科医専用に購入することが一番なんでしょう。

2012年11月13日火曜日

Martin & MacArthurのコアの時計

今年、ハワイ旅行に行った際に、Martin & MacArthur製のコアの木で出来た腕時計を購入しました。コアの木は神が宿るということで、縁起が良く、この腕時計の中味は数百円の安物のcitizenの時計ですが、コアの木によって値段が4万円を超える代物になります。

この時計の購入は要注意です。アラモアナショッピングセンターのMartin & MacArthurの専門店で購入しましたが、お店の人は「時計の部分は千円もしないcitizenだから、日本の時計店にもっていけば、電池交換をしてくれる」と言っていました。それなら安心と思って、大枚をはたいて、買いました。

購入して、うきうきしていたのは、わずか3ヶ月でした。電池切れか、動かなくなり、近所の時計店数軒に持ち込んだところ、みんな、電池交換を拒否。
コアの木を傷つけずに電池交換をすることを保証できないというのが理由ということでした。

そして、さらに電池交換をしてくれるところを探して、いろいろお店に電話をしてみると、どうやら
Martin & MacArthurの時計に問題が発生している情報を聞きつけました。そのお店は、カナダのTense社という同様の木製腕時計の取り扱っています。店主によると、Martin & MacArthurの時計を持ち込んでくる人が今年はやけに多いとのこと。電池交換ではなく、どうも、citizenの時計に問題があって、動かないかもしれないということでした。そして、最後に留めを刺されるアドバイスを頂いてしましました。日本で電池交換ができるといわれて、ハワイで安易に買う日本人がいるが(僕のこと)、Martin & MacArthurの時計は、実は、時計店でも扱いが難しい腕時計で、そのお店でも電池交換はできないので、Martin & MacArthurに海外輸送で送っているということでした。

社会勉強にしては、高いお値段でした。まだまだ、物を見抜く力が足りません。