2014年4月29日火曜日

かゆいところに手が届いた医学統計学の本

臨床研究でよく悩むのが統計解析.その良き指南書が出版されていることを知らなかった.医療系データのとり方・まとめ方 対馬栄輝,石田水里著 東京図書
分散分析,とくに僕達,麻酔科医がよく使う分割プロットデザインの分散分析(対応のある要因と対応のない要因の反復測定分散分析)が詳しく載っている.しかも,反復測定分散分析を乗せつつ,本当は混合分散分析を使うべきと解説している.


アマゾンでこちら

2014年4月25日金曜日

GE ロジックE プレミアム

ロジックEにプレミアムついて、驚異の画質になっていた。筋膜を明瞭に描出できるようにしてある。ライバル社の画質を飛び越した感じ。写真はcomplete TAP blockの注入ポイントだか、ここまではっきりみえたことはない。また20MHzのプローブが付き、指神経まで見えるようにしたとのこと。プローブにボタンが着いていて、そこで調整もできる。

GE Venue 50

GE の超音波装置がレベルアップ。Venue50の画質がかなり良くなって、ライバル社と遜色ない。全面タッチパネルでゲインもデプスごとに自由に変えられる。腰神経叢や傍脊椎腔も明瞭に描出される。

2014年4月19日土曜日

シバガイド間もなく発売開始

2005年に僕がデザインした平行法で針を描出させるニードルガイドが厚労省の認可が下り、ようやく、日本麻酔科学会学術総会で発売開始になります。名前はシバガイド!まんまやん?対象はFujifilm SonoSiteのHFL38リニアプローブとC11マイクロコンベクスプローブです。コンベクスはまだ改良の余地があるため、まだ発売しません。GEにも声をかけて、GEのプローブ用も作ろうと考えてます。これで、傍脊椎ブロックの敷居が下がると思います。

2014年4月18日金曜日

意識のある患者での超音波ガイド腋窩静脈穿刺

ペインクリニック外来で,血液内科からの中心静脈穿刺の依頼をこれまで対応してきた.一日に2人,多いと4-5人の依頼が舞い込むこともあった.全身状態の悪い人,良い人はいるのだけど,一人として,穿刺が簡単だと思う人はいなかった.穿刺前のプレスキャンで,腋窩静脈がパンパンに張っていて,「これは簡単だ.」と思ったが,いざ穿刺しようとすると,患者さんが緊張して,腋窩静脈が収縮してしまい,穿刺が難しくなってしまう.意識のある患者さんへの腋窩静脈穿刺は,たとえ全身麻酔下で中心静脈穿刺を沢山行ってきたであろう麻酔科医であっても,簡単にはできない.
ましてや,全身状態が悪く,中心静脈圧が低くて,腋窩静脈が虚脱してしまっている患者ではなおさら難しい.それぞれに超音波ガイド下に安全に実施するためのテクニックがある.

意識のある患者への腋窩静脈穿刺のトレーニングをそれなりに,つんだものでなければ,患者の状態に関係なく,まずは安全にはできない.それが僕の考えだ.


なぜ,そんな話をしているかというと,全身状態がよくて,簡単な状況の患者は内科の主治医が穿刺すべきだという意見が出て,そういう方針になったから。正確には、もともと、超音波ガイドが普及するかなり前に、そういう取り決めがあったようなのだが、昨今の中心静脈穿刺の風潮か、できるだけ経験のある麻酔科医にやってもらおうということで依頼が増えていた。それを元に戻したといったほうがよいのだけど。

麻酔科医だから中心静脈穿刺は,他科の医師より上手なんだろうか。少なくとも、自分が指導させてもらった先生達の中で、意識のある患者さんの腋窩静脈を指導してない段階から、なんなくこなした人はいない。自分は教わることはなかったが、最初は面喰らった。盲目的に刺していたころ、意識のある患者の腋窩静脈が精神状態で、かくも姿を変えるなんて知りもしなかった。よく平気で穿刺したもんだ、穿刺で事故が起きるのも理解できる。そう考えて、今は、意識のある患者への腋窩静脈穿刺を安全にできる麻酔科医を育てなければと思っていたところだった。

自分達の手技を極める機会を失ったんじゃないかと心配になっている。


 

2014年4月17日木曜日

閉鎖神経ブロックと膀胱がんの再発

 TUR-BTは脊髄くも膜下麻酔で実施され,その際に腫瘍の位置によっては膀胱三角の後方を走行する閉鎖神経が刺激され,内転筋が筋収縮してしまう.これによる膀胱穿孔を予防するために閉鎖神経ブロックを併用される.閉鎖神経ブロックが脊髄くも膜下麻酔で麻酔管理したTUR-BT後の膀胱がんの再発にも影響があるという報告がなされている.脊髄くも膜下麻酔単独と脊髄くも膜下麻酔に閉鎖神経ブロックを併用した場合で,膀胱がんの再発率には有意差がなかったものの,閉鎖神経ブロックを併用したほうが再発までの時間が長かったという.泌尿器科医も合併症を恐れて,しっかりと膀胱がんを切除できていないということなんだろう.

Tekgul ZT, Divrik RT, Turan M, Konyalioglu E, Simsek E, Gonullu M: Impact of obturator nerve block on the short-term recurrence of superficial bladder tumors on the lateral wall. Urol J 2014; 11: 1248-52

2014年4月16日水曜日

小切手は難しい

NYSORA LatinAmericaの交通費の補助として,NYSORAから2000ドルの小切手を現地で渡され,それを先週の木曜日の研究日に三井住友銀行に持っていった.その前の週にも三井住友銀行に出向き,海外からの小切手を送金してもらう書類を説明を聞きながら書き込んだ.1週間あけて,判を押して,いよいよ手続きに入るつもりで行ったのだったが,そう簡単にはいかなかった.

僕の名前をShibata Yasyuyukiと手書きで書いてあったが,Yasuyukiのyuに書き損じがあり,uの字を2回なぞった痕があった.日本の訂正印と同じ役割で,誤字の上には記載した責任者の名前が,しっかりと記載してあった.しかし,それを三井住友銀行の小切手担当係の方は許さなかった.
この小切手を相手方の米国の銀行に送付し,本物かどうかを証明してもらってからでないと手続きは無理.その場合は,諸経費が大幅に増えるという説明であった.

僕は,この判断に対して抗議をした.全く別人の名前が記載されたものを自分の名前に変更されているのならわかるが,明らかに僕の名前を書いて,その一部の綴りを書き損じたので訂正してあるのだから,僕以外の人に出した小切手を悪用したはずがない.行きすぎた判断であると・・・

しかし,その判断が覆ることはなかった.小切手で送金してもらうために,とんでもない費用を負担するのは馬鹿げているので,小切手の手続きを諦めた.しかたなく,Hadzic先生に連絡して,小切手が日本の銀行では認められないと連絡し,電子送金してもらうことにした.

後日,この話を母にすると,日本の小切手も同様で,ちょっとした字の書き損じも許してもらえず,小切手を扱ってもらえないようになっているということでした.海外で小切手をもらう際には,充分に注意してもらわないといけない.

2014年4月3日木曜日

ソノサイトデュケーションセンターも今

富士フイルムソノサイトも新体制となり,これまでの新宿にあった場所から西麻布に会社が移転されることに伴い,エデュケーションセンターの場所も変更になります.今週末までは,これまでどおり新宿で行われます.新しい場所では,手術室どうようベットが用意され,高さ調整も行える環境の中でスキャニングの練習ができるようになっているとのこと.この会社の姿勢には,本当に感服してしまう.今週末のエデュケーションの資料を深夜に送っても,普通に返事が返ってくるMさん.家に帰っているか心配です.そんな彼が準備するエデュケーションセンターで,変な講義をするわけにはいきません.ということで,僕自身,内容を一新し,基礎コースで手技中心で臨床応用の話を省き,その分,スキャニングに時間をかけることにしました.こうご期待.

こっそりとブロック研修再開

4月に入り,同じ地区である名市大のK先生が3ヶ月の間,ブロック研修に来てくれました.ブロック行脚ではなく,症例を担当してもらいながらブロックの研鑽をつんでもらうことにしています.初日である今日は神経刺激ガイドの傍仙骨坐骨神経ブロックから開始です.