2012年3月5日月曜日

末梢神経ブロックの善し悪し(選択)を議論する際の注意点

様々な末梢神経ブロックが超音波ガイド法でできるようになった今,局所麻酔薬の使い方,アプローチの選択など人によって様々なです.そのときに注意しなければならないのは,話し手が自分の手法を
Anesthesiaを目的にしているものなのか,Analgesiaを目的にしているものなのか明確にしなければなりません.
ブロック単独で手術を遂行するのならAnesthesiaです.単にバランス麻酔の中に組み込むのならAnalgesiaです.それによりとらえ方が変わってきます.たとえば,肩関節手術をAnesthesiaとしてブロックをする場合,遮断域を完璧にするためには浅頚神経叢ブロックを腕神経叢ブロックに組み込まなければなりません.しかし,全身麻酔にブロックを併用する場合は術中の不完全遮断はOKで,術後鎮痛として充分に機能してくれたらよいわけですので,腕神経叢ブロックだけで済んでしまいます.今回のNYSORA asiaでも傍脊椎ブロックで同様な質問があり,「Anesthesiaなのか,Analgesiaなのか.」とKarmakar先生が問いただしていました.同じ土俵で相撲を取っていない状況での議論は注意しなければなりません.

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