2015年8月28日金曜日

超音波ガイド胸部傍脊椎ブロックとテロ

今日は台湾に来ています.23th International Wu Ho-Su Memorial Congressで講演することになっています.2つの講演を依頼されており,ひとつは日本における慢性疼痛における麻薬使用の現状,もうひとつはお得意分野の超音波ガイド神経ブロックです.まだ,しっかりと原稿ができていないので,台北市内への移動中に原稿を書いていたらタイからメールがきました.

メールの主は3年前に名古屋大学に神経ブロックの研修にきたウィレナさんでした.直接指導したのが僕で,一年間,ありとあらゆる神経ブロックの技術を教えましたが,特に超音波ガイド胸部傍脊椎ブロックに力をいれて教えました.今はバンコクのチュラロンコン大学麻酔科で神経ブロックの指導をしています.
手紙の内容は,先日,タイで起きた爆弾テロに関してでした.彼女の病院にもたくさんの多発外傷患者が送られてきたのですが,その中で台湾の女性が被害に遭われ,胸部の外傷のよる痛みが強く,本国に帰国できずにいたそうです.そこでウィレナが呼ばれ,その女性に胸部傍脊椎ブロックを行ったところ,劇的に痛みがとれ,明日帰国することになったということでした.最終的にはその女性はウィレナさんにブロックをして欲しいと依頼されるまでになったということでした.そのくらい,ウィレナのブロックが彼女にとって大切なものになったのでしょう.とにかく,ウィレナさんとしては,今日ほど,うれしい日はないということでした.

僕はこの知らせをとてもうれしく思い,同時に彼女を誇りに思いました.

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