2011年1月13日木曜日

統計ソフトについて

 あまり超音波ガイド関連のことばかり書いても,うんざりくるので,今日は統計ソフトについて書きます.僕は,現在,統計ソフトを3つ持っています.SPSS, JMP, Graphpad Prismです.SPSSは高額なので科学研究費を獲得したときに購入しました.JMPとGraphpad Prismは自費でした.もっぱら使っているのはJMPとGraphpad Prismです.
 JMPは大学勤務であれば通常より安いアカデミック版で購入でき,その後のバージョンアップも安価にできます.JMPを使うのは,様々な臨床データから何か関連性がないか,探索的にデータ解析をしたいときに使っています.統計解析の手法を選択しなくても,とにかくデータの関連を調べられるのがJMPの利点です.思わぬ発見にワクワクすることもしばしばです.統計解析の手法を選択しなくてもよいので,臨床研究を始めたい人が統計解析の面白さを知るうってつけのツールですが,解析結果を正しく解釈するには統計解析の勉強は必要です.JMPのもう一つの利点は,サンプルサイズの計算ができることです.
 それ対して,Graphpad Prismは解析する前に,どんな解析手法を使うかをあらかじめ決めていないといけません.Graphpad Prismは日本の代理店で日本語版を購入することもできますが,大変高額なのでお勧めしません.その代わり,アメリカのホームページからオンラインで,わずか450ドルで購入できます.英語にアレルギーのある方でも大丈夫です.英語版を解説した本(GraphPad Prism5による生物統計学入門)も出ていますので問題なく使いこなせます.Graphpad Prismの利点は、統計解析の結果に加えて,とても綺麗なグラフが作れることです.Graphpad Prismにはサンプルサイズを計算する機能はついていません.アメリカの同じ会社からStatMateというソフトが75ドルであり,これを使うとサンプルサイズ計算ができます.JMPとGraphpad Prismがあれば,いろいろできます.
 では,SPSSは何に使っているか?僕は経時的データを扱うときに使います.麻酔科関連の臨床研究は痛みや血中濃度など経時的なデータ解析が多いと思います.通常,Visual Anaglogue Scale,血中濃度は2要因の反復測定分散分析を使う人が多いですが.2要因の反復測定分散分析は欠損値があると,解析できません.欠損値がある場合は,混合モデル分散分析を使う必要があります.SPSSを混合モデル分散分析のときに使ってます.
 JMPはエクセルで入力した形のまま統計解析ができますが,SPSSとGraphpad prismの難点は,統計解析の手法によってデータの入力が異なることです.

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