2014年2月5日水曜日

Complete TAP block

McDnellらは2013年のNYSORAでの講演でRafi's TAP block をComplete TAP blockと表現した。それは胸部傍脊椎腔へ広がって、内臓痛コントロールができるという意味からだ。

Dr Blancoが腰三角で注入した薬液が第11肋間から胸部傍脊椎腔に入り込むことをMRIで見出している.腰三角と肋骨弓の形成に関与しない肋骨の位置関係が近接していることが重要なのだ.

しかし,その薬液の広がりの確実性はどうなんだろう?内臓痛コントロールができている症例もあるが、一方でできていない症例もある。

腰三角の辺りの解剖が個人差がありすぎて、毎回同じ注入じゃない。そこにcomplete TAPブロックの不完全さが残るのかもしれない。新潟のジャイアンはどう考えているのだろう?

2014年2月4日火曜日

JB-POTって!

僕は2004年の第一回JB-POT試験に合格している。かなり合格率が低く、案外、自慢に思っている。普段からTEEにふれ、自分で画像を出し、計測して知識と経験を深めていった。実際なTEEで仕事して実践能力がないと、あの試験は受からないと、ずっと思ってきた。

ところが最近は事情が違うようだ。TEEに触ってなくても、つまり、実際の患者に問題があった時に病変を描出する能力、つまり実践能力がなくても合格してしまうらしい。なんでも、自分で画像を出せなくても、試験では最も綺麗な画像を出してくれるからだとか。心臓麻酔の経験がない人まで合格しているということらしい。

ようは役に立たない合格者がうまれているようだ。受験者資格の設定を見直してもよいのかも?考えもんだね。

2014年2月3日月曜日

向学心を沸かせる存在になれるか?

神奈川麻酔専門医会に参加してきました。たくさんの先輩麻酔科医から、業界事情やら仕事への考えなど、勉強になる話を聞かせて頂いた。そんな話の中の一つを紹介したい。

ここ数年の麻酔の進歩は著しい。それなのに、自分の経験だけの麻酔管理方法を若手に押し付け、自らはブロックも薬物動態学もTEEも学ばない中堅麻酔科医の存在が今後、組織の中で問題化してくる。彼らは若手の知識欲を満たせずに、成長の妨げになる。

現在の日本の麻酔科医をリードする先輩達は若手の向上心には、なんら心配をされていない。むしろ、今の麻酔科学の発展についてこずに経験を積んでしまった麻酔科医を心配している。そういう状況をつくらないような環境を学会としても作らないといけないし、そのために僕のように外で話をする機会を与えていただける麻酔科医は貢献しなきゃいけないのだろう。自分も成長を止めずに歩み続けなければた思った。

2014年2月2日日曜日

呼吸器外科手術1年後の遷延性術後痛

後側方切開で呼吸器外科手術をうけた患者の1年後に,慢性痛があったか、患者に質問してしらべた論文がある.
86名中,65名が解答をした.
35人(48%)に慢性痛があって,そのうち8名(12%)が神経障害性痛であった.

慢性痛のリスクファクターは,年齢,ASA分類,ドレーンの数で,年齢が若く,合併症のない人が,ドレーンを数本挿入される状況になると慢性痛になりやすい.

興味深いのは硬膜外麻酔の有無やPCEAの有無は慢性痛の発症に関連がない.
メタアナリシスでは硬膜外麻酔に予防効果があると報告した論文があるのだけど・・・

2014年2月1日土曜日

心臓外科で高用量レミフェンタニル

心臓外科でレミフェンタニルを使うようになり,胸骨縦切開や送血管をいれるために上行大動脈を処理している際に血圧上昇で悩む心配はなくなりました.若い先生達の中には,そういう手術操作で血圧が大幅に変動することを経験した人はもういないんじゃないでしょうか.

最近は,レミフェンタニルを高用量で投与されている状況もよく目にします.でも注意が必要.
高用量でレミフェンタニルを投与すると,胸骨縦切開後の慢性痛になる危険性が高くなります.

Brtish Journal of Anaesthesia 2012;109:616-22